米アマゾン・ドット・コムは8日、自社で開発したスマートフォン(スマホ)「ファイアフォン」を99セント(100円強)に値下げしたと発表した。従来価格(199ドル)から約2万円の値下げとなる。足元の売れ行きが想定を下回っているもようで、注目を集める米アップルの新製品発売を前にテコ入れ策を打ち出したようだ。
99セントは米通信大手AT&Tとの2年契約を前提にした価格で、通信会社との契約なしの価格も649ドルから449ドルへほぼ同じ幅で値下げした。
ファイアフォンは7月に発売したばかり。画像認識技術などにより、内蔵カメラやマイクで捉えた商品や音楽をアマゾンのサイトで手軽に買える機能を持つ。購入商品の早期配送とコンテンツ配信の有料会員サービス(年99ドル)もつけ、独自の特徴を打ち出していた。
ただ、アマゾン自身の通販サイトの購入者評価でも5段階中の3にとどまるなど消費者の反応はいまひとつで、電池の過熱や持続時間に対する不満も少なくない。自社サイトの注目度ランキングでも発表早々に順位を下げている。
9日にはアップルが新型iPhone(アイフォーン)を発表するとみられる。アマゾンは8日、同社サービスの利用者に広告メールを一斉に送信するなど、価格面の魅力のアピールに躍起になっている。
(シリコンバレー=兼松雄一郎)
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