派生コイン 次々誕生
モナーコインの即売会では古本、手品のタネ明かしなど様々な商品が並んだ(3月、東京・銀座)
ライトコイン、ドギーコイン――。ビットコインの成功以来、同様の派生コインが次々と誕生している。現在100種類以上存在し、インターネット上にはビットコインを基軸コインにした交換レートもあり、外為市場のようにコイン同士が交換されている。
今年1月に日本で誕生した仮想通貨「モナーコイン」のイベントが先月、約70人の参加者を集め東京都内で行われた。コインを使った即売会も行われ、スイーツや衣類などの販売が行われていた。
国内でビットコインを使える店舗も増えている。大阪・心斎橋の美容室ではビットコインでの支払いを2月から受け付け始めた。同店では近隣の飲食店十数店と地域一帯での普及を進めており、両替機能付きのATMを今夏、設置する予定だ。
ビットコインで決済できる美容室。利用した男性客は「スマートフォンで払えるのが楽ですね」と約0.04BTCを支払った。地域で増える外国人観光客を取り込もうと、導入する店舗が増えてきている(3月、大阪市のピーチ!ビューティ心斎橋店)
紙幣のような「ペーパーウォレット」。印字されたQRコードを使って、ビットコインのやりとりができる。「ハッキングによるビットコインの流出を防ぐには、これが最も安全な手段」と日本デジタルマネー協会の大石哲之さん(3月、東京都内)
米グーグルのエリック・シュミット会長は先月行われた講演でビットコインのシステムを高く評価し、「ビットコイン関連ビジネスが今後急拡大するだろう」と可能性について熱く語った。
さらに米国ではビットコインの技術を応用した「イーサリアム」というシステムが注目を集めている。電子書籍や音楽などの著作物、契約書や信書、株や債券などデジタルで表現できるあらゆる情報を、インターネット上であたかもモノのように流通させることが可能になる。モノの所有権移転の形がすっかり変わり、既存の社会構造に大きな変革をもたらす存在になるかもしれない。
ビットコインは仮想通貨であるにとどまらず、新たなIT革命の担い手となる可能性を秘めている。
写真部 瀬口蔵弘、寺沢将幸
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