宮内庁は9日付で、昭和天皇の生涯を記録した「昭和天皇実録」の内容を公表した。側近の日誌などをもとに天皇の動静が克明に記され、新たな資料や回顧録の存在も明らかになった。

 第2次世界大戦で日本が降伏する直前、ソ連に米英との和平仲介を依頼した際の言動、戦中に敵国撃破を祈念して奉じた「御祭文(ごさいもん)」の内容も示された。

 あまり知られていない幼少期の逸話も多く、両親の大正天皇夫妻にあてた手紙や作文、宮中でも明治期にクリスマスの習慣があったことなどが盛り込まれた。