宮代栄一、北野隆一 聞き手・石田祐樹
2014年9月9日05時00分
24年5カ月という歳月をかけ、宮内庁書陵部の職員計112人が、国内外から集めた3152件の資料を駆使して書き上げた「昭和天皇実録」。一見淡々とした記述が続くが、注意深く読み込んでゆくと、昭和史の新たな断面が浮かびあがる。終戦前後の天皇の動静を検証する。
■降伏直前まで、ソ連に仲介期待
昭和天皇は第2次世界大戦の降伏直前まで、ソ連による和平仲介に期待を寄せていた。実録によると、天皇は1945(昭和20)年7月7日、鈴木貫太郎首相に「ソ聯(れん)邦に対して率直に和平の仲介を依頼し、特使に親書を携帯させて派遣しては如何(いかん)」と伝えたとされる。
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朝日新聞社会部
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