かつ江さん:黒鉄ヒロシさん続編に意欲 鳥取市教委は抗議
毎日新聞 2014年09月08日 21時33分(最終更新 09月08日 22時08分)
鳥取城跡(鳥取市)のマスコットキャラクターとして公募で選ばれながら「飢餓をちゃかしている」などの批判を受けてお蔵入りとなった「かつ江さん」について、自らの連載漫画に登場させた漫画家の黒鉄ヒロシさんが8日、毎日新聞の取材に応じた。掲載は、かつ江さんの著作権を持つ市教委の許可を得ていなかった。黒鉄さんは「許可をもらえれば物語はいくらでも膨らむ」と述べ、続編への意欲を示した。
かつ江さんが登場したのは小学館の人気漫画雑誌「ビッグコミック」の連載「赤兵衛」。黒鉄さんは「せっかく鳥取の渇(かつ)え殺しを知ってもらえるのにもったいないと思い、漫画にした。非常にクリエーティブなキャラで面白い」と評価。無断使用について「著作権は原作者の男性にあると誤解し、編集者から承諾が取れたと聞いて問題はないと思った」と話した。
かつ江さんの原作者で鳥取市の男性(40)は「黒鉄さんに取り上げてもらい光栄。鳥取城の歴史を知ってもらうきっかけを作ってくれた」と歓迎している。
一方、小学館の担当編集者は市教委に電話で無断使用について謝罪した。経緯を説明するため、近く編集長らが市教委を訪れるという。
これに対し、市教委は電話で「無断使用は遺憾」と同社に抗議した。「抗議文送付の有無も含め、今後の対応を検討中」としている。【川瀬慎一朗】