欧米政府が正しければ、ウクライナでロシア軍が戦闘に参加している。45年前には、彼らは全く別の敵と対峙していた。
1969年3月、ソ連と中国の間で国境紛争が勃発。両国の間に位置し、衝突の原因となったダマンスキー島(中国名・珍宝島)にソ連軍が戦車で総攻撃をかけたことで、紛争はようやく終結した。
今では、両国関係は大幅に改善している。ロシアのプーチン大統領は先週、中国の国有石油大手、中国石油天然気集団(CNPC)に東シベリアのバンコール油田での事業への参加を求め、両国関係は新たな段階に進んだ。ロシアが欧米の旧友からアジアの新たな友人に軸足を移したことをこれほど象徴している事例はない。
ロシア政府はかつて中国に不信感を抱いていた。こうした懸念は人口が少なく、経済が弱く、モスクワよりも北京に近いだけでなく、経済が好調で人口も多い巨大な隣国に接している東ロシアで最も吹聴されていた。
ロシアはこの数十年、中国企業がロシア産石油や石炭、木材を買い占めるのを容認してきたが、油田やガス田への出資は断固として認めなかった。
■転換したロシアの戦略
だが、状況は一変した。中国石油化工(シノペック)は2006年にロシアの石油会社ウドムルトネフチの買収を認められ、昨年にはCNPCがロシア北部ヤマル半島の270億ドルの液化天然ガス(LNG)プロジェクトへ20%出資した。
それでも、プーチン氏のバンコール油田への参加提案はこれまでで最も重要な動きだろう。これはロシアの戦略が驚くほど変わったことも示している。ロシアの国営エネルギー企業は長年、ロイヤル・ダッチ・シェルが開発する極東のLNG事業「サハリン2」など、自力では開発できないプロジェクトでしか海外企業と提携しなかった。だが、バンコールはそうではない。運営会社のロスネフチにとって、技術的に難しい点はほとんどない巨大な陸上油田だ。大型投資が相次いで多額の利益を上げており、周辺油田を含めた産出量は20年までに日量100万バレルに達する可能性がある。欧米の石油メジャーはさぞかしうらやんでいるに違いない。
歴史は将来、ロシアに対する制裁がグローバル化からの劇的な撤退の始まりを告げたと記録するだろう――。世間では今、そんなムードが広がっている。…続き (9/8)
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