地方競馬の名伯楽、川島正行師が急死
地方競馬を代表する名伯楽、川島正行調教師が7日午後0時30分、呼吸不全のため千葉県習志野市内の病院で死去した。66歳。かねてから肝硬変、糖尿病の治療中で、入退院を繰り返していた。調教師通算1276勝、重賞139勝(交流G1・13勝)はいずれも南関東NO・1。名馬ばかりでなく、内田博幸、戸崎圭太など南関東競馬を経てJRAで活躍する名騎手を育てた同師の死は、競馬界全体にとっても大きな損失となった。(記録は7日現在)
川島正行師は体調を崩し、昨年から入退院を繰り返しながらトレーナー業を続けていたが、今年の8月下旬ごろに病状が悪化。今月に入って容体は急変し、ついに帰らぬ人となった。
地方競馬のパイオニアだった。今では当たり前になっているレースの3日前に5ハロンから速い時計を出して出走態勢を整えるスタイルを確立。厩務員が正装してパドックで馬を引くのも師の発案だった。その間もそれ以降も常にトップの座を守り続け、獲得賞金、6週連続重賞勝ちなど2度と破れないような輝かしい実績を積み上げていった。一方で騎手も育てた。代表格はJRAの内田、戸崎騎手。常に一流馬を抱える川島厩舎の主戦になり飛躍的な成長を遂げたことは広く知られている。
調教師としての栄誉、名声はすべて手に入れたが晩年は不運に見舞われた。牝馬ながら2冠を制したクラーベセクレタの禁止薬物発覚。尿検査で微量のカフェインが検出され、出走停止などの処分が下された。師にとって何1つ得のない事件は青天のへきれきだった。結局、混入経路も特定されず名誉は回復されなかった。「A検体、B検体が…」と意識がなくなる寸前までそのことを気にかけていた。
失意、体調不良の中にあっても競馬に対する情熱は失わなかった。中央勢に歯が立たない現状を憂い、生産者としてJRAに挑むのが次の夢だった。「賞金の安い地方でJRA相手に通用する馬を育てるには限界がある。生産者として中央馬を負かしたい」と意欲を見せていた。北海道にたびたび出向き、土地確保など着々と準備も進めていた。発想、並外れた能力は生産者になっても発揮したはずだが、それはかなわなかった。
◆川島正行(かわしま・まさゆき)1947年(昭22)9月27日、千葉県山武郡(現・山武市)生まれ。64年に船橋競馬の騎手となり通算786勝(重賞13勝)を挙げている。87年騎手引退、90年に調教師の道へ。地方競馬を代表するアジュディミツオー、フリオーソなどを手掛けた。06年100勝、09年112勝に年間100勝以上を達成。地方競馬最高の栄誉であるNAR最優秀調教師賞を02~08年の7年連続を含み9度獲得している。川島正一調教師、川島正太郎騎手、川島光司厩務員は実子。
[2014年9月8日8時56分 紙面から]
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