鯨図鑑

クジラをもっとよく知ろう クジラ図鑑

ミンククジラ ツチクジラ イワシクジラ マッコウクジラ ニタリクジラ イシイルカ ナガスクジラ コビレゴンドウ シロナガスクジラ

ミンククジラ
【ミンククジラ】
分布南半球
体長オス8m/ メス9m
体重10t
備考ナガスクジラ科の中で最も小さい種。
日本で最も多く食べられている鯨種。
背中は濃い灰色で、頭部を上から見ると先端を頂点として美しい三角形をしている。
名前の由来は、19世紀にこの種をシロナガスクジラと誤認したマインケというノルウェー人の鯨取りの名が訛ったものではないかとされています。その結果、マインケが誤認を他の鯨取りから冗談交じりに揶揄されたことによる命名だと言われています。その後マインケさんは自分の名前が鯨についたことで仲間にからかわれましたが、やがて、思ったそうです。「まいんけ(まいっか)」。
・・・苦しいですね。

イワシクジラ
【イワシクジラ】
分布インド洋南部、大西洋、太平洋
体長オス14.7m/ メス15.5m
体重30t
備考上顎口蓋には左右にそれぞれ最長80cmに達する320~400枚の髭がある。
動物食で甲殻類、魚類などを食べる。
鯨といえば、大きくガバっ!と口をあけて、一気にたくさんの魚を食べる。そんな姿はよく知られていますよね。魚の群れにあの巨体で突入したり、大きな口をあけながら泳ぎつつ、海水ごと獲物をどんどん口に中に取り込んだりして、一気に飲み込みます。豪快ですよね。でも、ゴミがいっしょに入らないのはなぜでしょう?
それは、口の中にあるヒゲがフィルターの役目をしているからなんです。鯨の中でも多くの長い髭を持つ種であるイワシクジラは、獲物とゴミの仕分けがしやすく、便利ですね。
ちなみに、日本で二番目によく食べられている鯨です。

ニタリクジラ
【ニタリクジラ】
分布世界中の熱帯から温帯の海域
体長オス13.2m/ メス13.5m
体重26t
備考寿命は50~60歳。イワシクジラの近縁種であるが、畝(うね)が長く先端がへそに達していること、くじらひげが短くて幅が広いこと、ひげ毛が太いことなどで、外形的に区別される。
ニタリクジラのニタリとは、ナガスクジラに似ているという意味からきています。決して、「ニタリ」と笑みを浮かべるからではないようです。
……ミンククジラといい、結構鯨の種のネーミングは安易なんですね。
日本で三番目に多く食べられている鯨です。

シロナガスクジラ
【シロナガスクジラ】
分布全海域に生息
体長20~34m
体重150t
備考オスよりメスのほうが若干大きい
天敵は人間とシャチ。若い個体は急角度で水面から飛び出し着水する「ブリーチング」をしばしば行う。
世界最大の動物種であるシロナガスクジラは、大きいもので34mにもなり、これはビルの11階に相当する高さとなります。また、シロナガスクジラは鳴き声の大きさも最大の動物種であり、その大きさは180ホンにもなります。ジェット機のエンジン音が130ホンですから、いかに大きな音かがわかります。この鳴き声は何百キロも遠くの相手にも届くので、鯨には電話は必要ありませんね。

ナガスクジラ
【ナガスクジラ】
分布極地などを除く世界中の海
体長20~25m
体重30~80t
備考背面の色は濃いグレー、あるいは茶系の黒で腹部は白色。
多くの種は夏季は高緯度地域に分布し、冬季になると繁殖のため低緯度地域へ移動する。
ナガスクジラは顔がカラフルなことで知られています。下あごとくじらひげの色が左右で違い、下あごの右側は白、左側は黒、くじらひげは右側の前半分はクリーム色、その他のひげは緑青色となっています。人間の顔がこんなにカラフルだったら仮装に間違えられちゃいますね。

ツチクジラ
【ツチクジラ】
分布北半球
体長オス10m/ メス11m
体重オス13.5t/ メス15.0t
備考体色は黒灰色から灰褐色で、腹部は背部より白っぽいが、歳をとると全身が灰白色になり額も出っぱってくる。あごは下あごの方が出ており、上あごと噛み合わない下あごの出っぱっているところに歯がついている。
潜水深度は千メートル近くになり、深海性の大型のイカを捕食する事もある。
ツチクジラの肉を調味料を混ぜ合わせたつけ汁に漬け込んだ後に天日干ししたものは、房総半島南部の特産品として人気を集めています。お酒のおつまみにピッタリな一品です!

マッコウクジラ
【マッコウクジラ】
分布北極から南極までの深海沖
体長オス14m/ メス12m
体重オス60t/ メス20t
備考体色は黒灰色であるが、歳をとるに従って白っぽくなる。
脳は全ての動物の中でも最大・最重量で、オスは7kgほどの脳を持つ。歯のある動物では世界最大で、巨大な頭部形状が特徴。
生涯の3分の2を深海で過ごす。軽く2,000mは潜ることができ、集団で狩りをすると考えられている。光の届かない深海においてはイルカ等に代表される反響定位(エコーロケーション)を用いている。家族同士での会話にも音を利用していると考えられている。
マッコウクジラは家族の絆がとても強いのが特徴です。子供の鯨は生まれてすぐには深海に潜ることができないので、母親が訓練をしますが、子供がなかなか潜ろうとしない場合は、母乳を飲ませながら一緒に潜るのだそうです。これぞ親子愛ですね。

イシイルカ
【イシイルカ】
分布主な生息域は北太平洋の温帯の海域
体長2m30cm
体重130kgから200kg
備考イルカもクジラの中の一種であり、日本では成体の体長でおよそ4mをクジラとイルカの境界と考えることが多い。
僕も実は鯨なんだよ!

コビレゴンドウ
【コビレゴンドウ】
分布暖帯から熱帯の海域で水深の深い海域
体長4m前後
体重1t
備考頭が丸く、特に年を取ったオスの頭は丸い。海岸に乗り上げてしまうことが多い。非常に活発に行動し、人間のボートに近づくこともある。
ゴンドウクジラとマグロは時折同じ海域で見られる。これはゴンドウクジラがマグロを食べるからではなく、共にイカを食べるからであると考えられている。
コビレゴンドウを見られる施設は少なく、日本では5ヶ所しかありません。レアキャラと言えますね。