全米オープンテニス決勝、チケット価格下落-4強不在で
9月7日(ブルームバーグ):錦織圭が進出を決めた全米オープンテニスの決勝は、4大大会シングルス決勝としては2005年の全豪以来初めて4強のフェデラー、ジョコビッチ、ナダル、マリーが不在となった。このためチケット販売や視聴率への影響が懸念されている。
米東部時間8日午後5時(日本時間9日午前6時)開始の決勝には第10シードの錦織圭と第14シードのマリン・チリッチ(クロアチア)が勝ち上がった。準決勝で敗退した第1シードのジョコビッチと第2シードのフェデラーの4大大会シングルス優勝回数は計24回。ラスベガス・ホテルのスーパーブックでは全米オープン開始時の錦織の優勝オッズは50対1、チリッチは80対1。英ブックメーカー(賭け屋)、ウィリアム・ヒルによれば、両者が決勝で顔を合わすオッズは1000対1だった。
チケット販売サイトのシートギークによると、準決勝翌日の7日午前の決勝チケットの平均転売価格は26%下落して390ドル(約4万1000円)となった。
来年以降の同大会の独占放映権をESPNが取得したため、今年はCBS が放送する最後の決勝となる。しかし4強不在で関心が遠のき、視聴率の低下が見込まれている。ホライズン・メディアの調査ディレクター、ブラッド・アドゲート氏は、全米テニスで過去5回優勝しているフェデラーないし世界ランキング1位のジョコビッチが決勝進出した場合と比べて、視聴者数が33%落ち込む可能性があると分析した。
男子テニス界にプラス効果元プロテニス選手で現在はテニス専門局でコメンテーターを務めるジャスティン・ギメルストブ氏は、決勝戦の視聴率や入場者がたとえ減ったとしても、錦織とチリッチの決勝はテニス界にプラス効果をもたらす可能性があると指摘。錦織はテニス人口が拡大しているアジアの象徴であり、また錦織とチリッチの2人は彼らよりも少なくとも2歳年上の4強に代わって男子テニス界を担うスター候補だとインタビューで説明した。
ギメルストブ氏は「これら2人の逸材には多くの興味深いエピソードがある」とした上で、「決勝で4強ばかり目にしてきたため物足りなく感じるのであって、こうした状況に慣れるのも時間の問題だ」と語った。
原題:U.S. Open Ticket Prices Fall Without Federer, Djokovic (1)(抜粋)
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更新日時: 2014/09/08 10:39 JST