ヤクルト−巨人 3回裏1死一塁、雄平の適時打で追加点を許し、川口コーチ(71)に降板を告げられる久保=神宮球場で(戸田泰雅撮影)
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◇ヤクルト10−3巨人
ヤクルトは1回にバレンティンの来日から4年連続となる30号3ランで先制した。その後も山田が23号ソロを含む3打点をマークするなど計13安打10得点。小川は7イニング3失点で8勝目を挙げた。巨人は序盤の失点が重かった。
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重い雰囲気は最後まで晴れなかった。巨人がヤクルトに思わぬ大敗だ。先発の久保を筆頭に、5投手が13安打10失点の大炎上。これでは勝てるわけがない。9回も最後の打者・寺内が三塁への併殺打に倒れて、ゲームセット。原監督は真っ先にベンチを飛び出した。
「投手は今やらないでいつやるの…」。クラブハウスに向かいながら、偽らざる本音を口にした指揮官。表情は終始、険しいままで、標的は8安打を放ちながらも3点しか奪えなかった打線にも及ぶ。「4番が神宮で打っていないでしょ…」。当たりが止まった阿部への嘆き節も飛び出した。
序盤から歯車が噛み合わなかった。この日はローテの谷間。首脳陣は8月31日のDeNA戦(横浜)で先発した久保を再び起用した。前回の5イニング2失点という内容を買ったのが、裏目となった。
1回から制球がバラバラ。山田への四球をきっかけに1死一、二塁と攻め込まれると、バレンティンに先制の30号3ランを献上。その後も立ち直れず、5失点で3回持たずKO。「本当に申し訳ない」と謝罪する結果に原監督も「期待を持って送り出しているつもりですけどね」とガックリだ。
完敗で優勝へのマジックナンバーの再点灯はお預け。しかし、広島、ヤクルトと続いた6連戦は4勝2敗と勝ち越した。「そこそこの戦いはできた」と総括した原監督は9日の阪神戦(甲子園)から始まる9連戦に目を向けた。「1日、英気を養って、しっかり戦います」。敗戦を糧にして、Vへの歩みを再開させる決意だ。(川越亮太)
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