優勝し日枝久・フジ・メディア・ホールディングス会長(左)からジャケットを着せられる岩田寛=山梨・富士桜カントリー倶楽部(撮影・古厩正樹)【拡大】
08年大会を含め過去に2位が3度。トップ10入りは計36度もある。あと一歩で優勝を逃してきても、それ以上に苦しんだ同期の姿がいつも胸中にあった。昨年12月の「日本シリーズJTカップ」で初優勝した同期の宮里優だ。
「すごく期待されて、でも勝てなくて、周りからいろいろ言われて…。優作に比べれば(自分は)苦労しているうちに入らない。勝てないのは努力が足りないから」。8年連続でシードを維持してきた実力者だが、そう自分自身に言い聞かせて戦ってきた。
「やるべきことをやっていれば勝てると思っていた」と穏やかに喜びを表した岩田が、次に目指すのは世界だ。賞金ランク2位に浮上したことで、米下部ツアーへの出場権を得るための予選会に最終予選会から出られる権利を取得した。
「(米ツアーは)世界で一番レベルが高い場所だと思う。そこに行かないと分からないことがある」。日本屈指の難コースを制して世界へ。富士の麓から33歳が羽ばたく。 (高瀬悟嗣)