岩田は最終18番でバーディー。これがウイニングパットになった (撮影・古厩正樹)【拡大】
優勝の重みを仲間の涙と笑顔から感じ取った。岩田がプロ11年目で初勝利。グリーンサイドで待っていた東北福祉大で同期だった宮里優作らから水をかけられ、手荒い祝福を受けた。
「谷口(徹)さんが泣いているのを見たとき、一番うるっときた。あと優作と…。うれしかったですね」
通算9アンダーで3人が並び、迎えた18番(パー4)。冷静にコースを攻めてきた男が、あえて狭いサイドを狙った。残り190ヤードの第2打。7Iで放った高いドローボールはグリーン右手前のエッジで跳ね、吸い寄せられるように左へ弧を描いた。ピン右1メートルにつける圧巻の一打だったが、拍手で迎えられたグリーンで6年前の悪夢が頭をよぎった。
08年大会の18番。決めれば初優勝だった1メートルのバーディーパットを外し、プレーオフの末に敗れた。6年前はグリーンの傾斜のメモを信じたが、今度は見直さなかった。「最後は真っすぐ。何百万回と練習してきたライン」のパットを沈めてリードした。同組のジョーンズがボギー、最終組のI・H・ホはパーで決着がついた。