児相ダイヤル:かけやすく3桁へ…虐待、早い発見促す
毎日新聞 2014年09月07日 08時40分
厚生労働省は虐待通報などを受け付ける「児童相談所(児相)全国共通ダイヤル」を、現行の10桁から110番(警察)や119番(消防)と同じ3桁にする方針を決めた。安全が脅かされる子どもの早期発見を促すのが狙いで、来年度予算の概算要求に電話転送システムの開発費など3億7700万円を計上した。
◇厚労省が方針、概算要求
児相の虐待対応は2013年度に7万3765件と最多を更新。09年10月に運用を開始した現行の共通ダイヤル(0570・064・000)には、13年度に1万6971件の電話があった。ダイヤルすると管轄の児相に転送されるが「番号が長く覚えにくい」との指摘も多く、虐待対応件数が過去4年連続で全国最多の大阪府などが3桁化を国に求めていた。
今後、システム変更し、15年度内にも警察や消防と同じ「1」から始まる3桁での運用を目指す。総務省によると、国による3桁の通報電話開設は海上保安庁の海難事故などの通報(118、00年運用開始)以来。ただ、110、119、118は緊急通報として無料だが、「児相ダイヤル」は子育て相談なども含まれるため同じ位置づけとはならず、通話料は現行通りかかる見込み。
3桁化に伴う通報数増加などへの対応として厚労省は来年度、全国207カ所の児童相談所の、非常勤職員の人件費助成について、夜間は現行の2人分から4人分へ、休日も1人分から2人分へ増やす方針。【野倉恵】