ライフハッカー編集部 - モチベーション,科学 09:00 AM
目標を達成したいなら、未来の自分を「大切な誰か」だと思うべし:研究結果
決意や将来の目標に向けた努力を途中で投げ出してしまうのは、内心では、未来の自分を「自分自身」としてとらえていないからです。この考え方のクセは誰にでも備わっているもの。逆らうのではなく、うまく味方につけてしまえば、長期的な判断を正しく下せるようになります。
米科学雑誌「Nautilus」が、そうした現在ならびに未来の自分に関する認識のずれについて詳しく解説しており、非常に興味深い内容となっています。
さまざまな実験や研究からわかってきたのは、未来の自分を思う際の神経活動は、どちらかというと、第三者を思う場合の活動に近いということです。「自分の中に、複数の自分がいる」という考え方は以前からよく耳にしますが、心理学者たちによれば、こういった心のクセを逆手に取って、自分を高めることも可能なのだそうです。
米紙「Boston Globe」の別の記事によると、カナダのウィルフリッド・ローリエ大学の心理学者Anne Wilson氏は、未来の自分を自分自身だと思ってしまうと、目標設定の時点ですでに達成した気分になってしまうけれど、友人だと思えば冷静に客観視できるということから、未来の自分を「自分自身ではないが、関わりのある人」としてとらえるのが、もっとも効果的だと勧めています。
ニューヨーク大学スターンビジネススクールのHal Hershfield助教は、未来の自分との距離感は「大切な人との関係と同じくらい」が良いと勧めています。
「未来の自分を別人と考えても構いません。ただし、その人物に親しみを感じ、重なり合う部分がたくさんあると思えなくてはなりません。(中略)うまくいっている夫婦や非常に仲の良い友人同士というのは、相手をまるで自分の一部のように感じていますよね」とHershfield助教は言います。どうやら、「未来を意識」するには、未来の自分を別人だととらえるにしても、愛して大切に思うよう心がけることがカギなのです。
心理学者たちは、こういった姿勢が「唯一の正解」ではないと釘を刺しています。本人が未来を見据えているのか、現在に焦点を当てているのかによっても違ってくるそうです。だから結論は2つ掲げておきましょう。まず、未来の自分には優しく接するべし、そして今できることはすぐやるべし。
Meet Future You. (Now be nice.)|Boston Globe