ヤクルト−巨人 7回表1死、逆転満塁本塁打を放ち大西コーチに迎えられる長野=神宮球場で(戸田泰雅撮影)
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◇巨人5−2ヤクルト
巨人が逆転勝ちした。0−2の7回に代打・井端の中前打と長野の満塁本塁打で計5点を奪った。先発の大竹が4回途中1失点で降板したが、救援陣が踏ん張った。ヤクルトは石山が7回に崩れ、打線も好機を生かし切れなかった。
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G党の願いを乗せた打球が左中間フェンスをわずかに越えた。1点を追う7回1死満塁で飛び出した長野の12号逆転グランドスラム。右膝痛を抱えながら5試合連続スタメンの背番号7は「入ると思っていなかったので、しっかり走っていた。入ってくれて良かった」とほほを緩めた。
ヒーローインタビューでは手柄を誇らず、直前に打ってくれた先輩に感謝した。「1点入って1死満塁と、点が入らないで2死満塁ではだいぶ違う。気持ちが楽になって思い切っていけた」。初球をフルスイングし、最高の結果につなげた。
原監督が真っ先に名前を挙げたのも、長野が感謝したベテランだった。「やっぱり井端が大きいね。重い1点を取った。チームにとって大きなタイムリーだった」。長野の前に1死満塁で代打に立ち、中前適時打。6回までゼロ行進だったチームを呪縛から解き放った一打を称賛した。
その井端は前日(5日)先発して2打数2安打ながら、この日はベンチスタート。味方が打ち損じていた石山の投球を冷静に見極めていた。「四球とかから崩れる感じはなかった」。このチャンスは逃せない。そう肌で感じていた。6球目、やや内寄りの直球をしぶとくゴロで中前へ。「大きいのは打てないからね」と静かに喜んだ。
一塁ベース上では長野のアーチを予見していた。「この前も打ってくれたしね。また打ってくれると思ってたよ」。3日の広島戦でも代打井端の適時打の直後に長野が一発。ビッグイニングで一気に試合をひっくり返したのも同じだった。
ホームインしてベンチに戻ると、「また、このパターンだな」と喜び合った2人。この日もクラブハウスから一緒に球場入りした仲良しコンビが、Vゴールに向け大きな逆転勝利を呼び込んだ。 (小林孝一郎)
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