ロマゴン戦に自信を見せた井上(左)。右は現役続行を宣言した八重樫=横浜市の大橋ボクシングジムで(竹下陽二撮影)
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WBC世界ライトフライ級王座の初防戦(5日)をTKO勝ちで飾った井上尚弥(21)=大橋=が6日、横浜市内のジムで記者会見し、王座を返上してフライ級に階級を上げることを明言した。同門の先輩である八重樫東(31)を破ってWBC世界フライ級王者になったローマン・ゴンサレス(27)=ニカラグア=を標的の一人に掲げ、「八重樫さんの借りを返したい」と誓った。
井上の目は次なるステージを見据えていた。ライトフライ級(上限48・988キロ)での減量は限界にきていたため、フライ級への転級は既定路線。そこには、八重樫をキャンバスに沈めたゴンサレス(通称ロマゴン)がいる。その話になると、井上の目がギラリと輝いた。
前夜はタイからの刺客、サマートレック・ゴーキャットジムに11回TKO勝ち。その後に行われた八重樫−ロマゴン戦は目に焼き付けた。感想を聞かれると「(ロマゴンは)強いのは強い。でも、八重樫さんの攻めをいやがっていた。必死になって、パンチが流れる場面もあった。大振りのパンチもありました」と自信ありげに笑みを浮かべた。
国内最速の6戦目で世界王者となり、怪物と呼ばれる井上。片や40戦全勝34KO、アマ時代から通算127連勝負けなしの世界の怪物。実現すれば、真の怪物を決める一戦となる。
大橋秀行会長は「井上はフライ級転級後、ノンタイトル戦をはさまないで、いきなり世界挑戦もあり得る。しかし、いきなりロマゴンじゃなく、他団体の王座を取らせて、1年後ぐらいに統一戦という形でやれば面白い」とプランを明かした。
日本の怪物は「フライ級に上げれば、ベストのパフォーマンスができる。それまでロマゴンには負けてほしくない。生涯初黒星をつけるのはボク」とニヤリ。 (竹下陽二)
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