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人として自分の足で立っている臨床心理士もそれなりにいるよという話を書こうとしたけどなんかズレてしまったよ

足

Twitterの方でも触れましたが、こんな記事がありまして。

心理の専門家になっても、立つものも立たねーんだよ!言いたくないけど、僕が青二才です

簡単にまとめると、うつ病(or 躁うつ病?ちゃんと読んでないので詳細は不明)を患った筆者が、臨床心理学に興味を持ち勉強し始めたところ、臨床心理士の現実に絶望した…とまあこんな感じでしょうか。

で、私としましては、こんな感じでツイートしたんですが。

考えてみたら、そんなに「反論」すべきところはないようにも思われます。

ただですね、この部分

「臨床心理士とは最短距離でも資格取得に7年かかるものの、同じぐらい時間がかかる司法試験や医師国家試験などのように国家資格化されてないため、(弁護士の法的手続き、医者の各種治療のような)有資格者にしかできない専売特許がないことから収入もそんなに高くない恐ろしく不遇な資格である」

国家資格化されたからといって「有資格者にしかできない専売特許」が出来るとは限らないわけですよ。業務独占と名称独占という話で、業務独占の資格であれば「その資格を持っている人しかできない仕事」というのはあるんですが、名称独占の資格の場合「資格を持っていない人はその職業(資格名)を名乗れない」というだけの話でして。

現在、国家資格創設が進んでいるところの「公認心理師」というのは名称独占の資格であり、つまり国家資格ができても「有資格者にしかできない専売特許」は基本的にできません。

そして、公認心理師が出来たからといって世の心理職の待遇は恐らくそれほど改善はされないでしょう。むしろ悪くなる可能性もあったりします。

そんな感じで臨床心理士や心理職を取り巻く現状把握についての理解はある程度妥当だと思われます。

ただ、この記事の冒頭の

最近、僕のうつ病体験記が大盛況になってる。普段、僕のブログを読まない人もうつ病体験記だけは読んでくれる人がいる。

嬉しい事に、「一家言たてて欲しい」と言われたから「自分の専門分野の1つにしよう」と思って、臨床心理学の本を読み始めた。

ゆくゆくは資格なんかも取り、はてな発の精神科医「シロクマ先生」と心理学バトルをやるんだ…。

この辺りを読む限り、どの程度真剣だったのかは甚だ疑問だったりします。

これくらいのモチベーションで勉強するなら、そりゃあ絶望もするだろう、と。

そもそも「自分の専門分野の1つにしよう」くらいの感じで「専門分野」に出来るのであれば、それこそ我々は商売上がったりなわけで。

多分、もっと本腰を入れて勉強しないとこの学問の面白さはわからないでしょうし、その上でもっと知識や技術を得たいと思ったら大学院修士課程修了では到底時間は足りません。

でも、そんな感じで勉強し始めて1週間くらいで絶望して逆に良かったんじゃないでしょうか?さすがに大学院まで行ったら簡単に後戻りできません。

それに過去ログちゃんと読んでないんでわかりませんが「うつ病経験者だからうつ病の患者の気持ちがわかる」ということだったら、かなり危険ですし。

参考:自身のうつ病経験をセールスポイントにするカウンセラー(14/04/17)

勉強すること自体は構わないと思いますが、まずはゆっくり静養されるのが良いのではないでしょうか。

あと、心理の専門家で「立ってる」人はたくさんいますので、その辺もご理解いただけたらいいかなあと思う次第であります。

あとまあ、この本も罪ですよね。「臨床心理学のすべてがわかる」はさすがに言い過ぎです。

そんな感じです。

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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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