<交通事故>速度超過で死亡率10倍 青森県警が5年分調査
毎日新聞 9月7日(日)17時49分配信
2009〜13年の5年間に青森県内で起きた交通事故を県警が分析した結果、規制速度を超過した状態で起きた事故の6.62%が死亡事故だったのに対し、規制速度内での事故での死亡事故は0.65%にとどまっていたことが分かった。死亡事故の発生割合が10.1倍に達していた。県警は今年7月、死亡事故抑制のため、速度取り締まりを重視した「速度管理指針」を策定。8月には県内18の警察署も地域に合った「速度取り締まり指針」を策定した。【石灘早紀】
県警交通企画課によると、5年間の事故は計2万7018件で、このうち死亡事故は244件。速度別で見ると規制速度内の事故が多く、2万5885件のうち死亡事故は169件だった。規制速度超過での事故は1133件で、このうち死亡事故は75件だった。
事故時の速度はブレーキ痕など現場の状況も考慮するが、主に当事者の話から判断するという。このため、同課は「実際はもっと規制速度を超過した事故が多いのではないか」と憂慮する。
県警は数年前から重点的に速度取り締まりを行い、県内の国道で速度超過状態で起きた事故は、12年の85件が13年に56件に減少したとしている。ただ同課は、交差点など速度があまり出ない場所でも死亡事故に至るケースもあり、注意が必要だとしている。
昨年12月に国の「交通事故抑止に資する取り締まり・速度規制等の在り方に関する懇談会」が警察庁に行った提言では、走行速度低下が事故の被害軽減に結びつくと指摘した上で、速度規制や取り締まりによる適切な速度管理が必要だとした。県警がまとめた速度管理指針はこの動きを受けたものだ。
8月に県内18警察署がまとめた速度取り締まり指針では、重点的に速度違反を取り締まる国道などを「重点路線」として列挙。管理指針や取り締まり指針は県警ホームページで公開し、県民に注意を促す考えだ。
最終更新:9月7日(日)21時0分