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代打・井端が満弾呼ぶ適時打「打ってくれると思ってた」

2014年9月7日6時0分  スポーツ報知

 ◆ヤクルト2―5巨人(6日・神宮)

 2ストライクからが、この人の時間だ。2点を追う7回1死満塁。代打・井端の真骨頂だった。カウント2―2から内角の直球をおっつけ、中前へ転がした。「冷静に見極めて、打つべき球を打てた。三振だけはしないように、と」。1点差に追い上げる、値千金のタイムリーは、チーム27イニングぶりの適時打。一塁コーチャーの大西コーチと、鬼の形相でタッチを交わした。

 停滞ムードを一変させた。6回まで石山の前に無得点だった打線が、この回2安打と1四球で1死満塁のチャンスを作った。ド迫力の眼光で打席へ。だが、見逃し、ファウルと2球で追い込まれた。「代打の難しさを感じた。由伸のすごさが分かったよ」。同級生のように1球で仕留めることは出来なかったものの、ボール2つとファウルで粘り、じっくりと好球が来るのを待った。

 デジャビュのようだ。3日の前橋での広島戦でも、井端の幸運な逆転打の直後に、長野がマエケンから一発を放った。予感はあった。「前も打ってくれたし、打ってくれると思ってたよ」。“気配りの人”として知られる長野を「アイツは気を使いすぎるから。もっとざっくばらんでいいのにな」と評したことがある。その好青年が力を発揮できる状況を、またもおぜん立てした。

 ここ3試合で5打数4安打、3打点。出場機会が限られた中で、結果が出ない時期もあった。だが、ベテランは決して「仕方ない」なんて言わない。「内容ある凡打なんて誰でも打てる。俺はヒットが欲しいんだよ。また一からやり直す。打てなかったぶんは、いつか必ず取り返す」。5日の試合では内野安打で一塁に駆け込んだ際、軽く左脇腹を痛めたが、何事もなかったかのようにバットを振った。心も強ければ、体も強い。

 原監督も「やはり井端が大きかった。重い1点を取った。井端ならではという打撃」と最敬礼した。代打の神様・高橋由の穴を、39歳のジョーカーが埋めている。(太田 倫)

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