阿部4の0、ロペス落球!連勝止まり1日で「M消滅」
◆ヤクルト4―1巨人(5日・神宮)
巨人はヤクルト先発・七條にプロ初完投を許し、連勝が3で止まった。先発・内海は2回に犠飛から先制点を許し、6回には中村に2ランを浴びてKO。今季8敗目(4勝)を喫した。打線はわずか5安打で橋本の犠飛で1点を取るのがやっと。広島が勝ったため、前日(4日)、22が点灯した優勝マジックが一夜にして消えた。
いつもの粘り腰は見られなかった。9回、代打・矢野が平凡な左飛に倒れると、原監督はサッ、とクラブハウスに向かって歩き出した。
「もう少し打たないかん。(七條に)完投させたわけだからね」。交流戦期間中の6月8~17日にマークした7連勝以来の4連勝とはならなかった。前日(4日)、点灯した優勝マジックは1日で消滅した。
珍しく薄味の試合だった。エース・内海が鬼門に沈んだ。前回登板(8月29日、DeNA戦)では無四球完封も、この日は6回途中、10安打4失点でKO。先頭打者を4度も出した背番号26を、原監督は「きょうは内海哲也の『う』の字も出なかったな」と切り捨てた。神宮では10年9月15日以来白星なし。嫌なジンクスは生きていた。
打線も波をつかめない。わずか5安打1点で、七條にプロ初完投勝利を献上した。微妙に変化する速球をミートできず、外野フライ11個。「打てそうで打てなかった」と4タコの阿部。長野、亀井の戻った打線は、直前の広島3連戦の初戦(2日)こそ12安打9点と爆発したが、その後は6安打4点、4安打1点、5安打1点。貧打は解消されていない。
細部に反省材料も多かった。2回無死一塁では飯原の一、二塁間への高いバウンドのゴロに、内海がベースカバーに走らず、一塁ベースががら空き。内野安打で一、二塁とピンチを広げ、谷内の先制犠飛を招いた。内海は5回無死一塁でバントを失敗。川相ヘッドは「できることはしっかりやらないと」と厳しかった。
4回には飯原の左中間フェンス直撃の打球で、橋本がクッションボールを誤り三塁打に。5回は山田のファウルフライをロペスが落球…細かなミスが連鎖した。
原監督はマジックについて、「マジック5になってから聞いてくれよ。それまでマジックとは言わないよ」と無関心だ。ダメージの大きい敗戦ではない。しかし、緊迫した広島との首位攻防戦の後、エアポケットに入ったように投打に精彩を欠いたのは気になる。「切り替えて、また明日!」。指揮官がこう叫んだように、フンドシを締め直し第2戦に臨みたい。(太田 倫)