注 目 MLB全試合速報中!

【中日】今季初登板49歳・山本昌「壊れてもいい」5回0封で最年長勝利!

2014年9月6日6時5分  スポーツ報知
  • 最年長登板・最年長勝利の山本昌は、ファンの声援に応える

 ◆中日6―0阪神(5日・ナゴヤドーム)

 49歳25日の中日・山本昌投手が5日の阪神戦(ナゴヤD)で今季初登板し、プロ野球史上最年長勝利を達成した。今季初先発で5回、90球を投げて5安打無失点。1950年に阪急・浜崎真二が48歳4か月でマークした記録を64年ぶりに更新だ。来年50歳を迎える球界のレジェンドは試合出場、先発、奪三振、打席(いずれも浜崎=48歳10か月)の最年長記録をそれぞれ更新するなど、偉大な記録を打ち立てた。

 勝利の瞬間をベンチで見届けると、山本昌はほっとした表情でナインを出迎えた。5回5安打無失点。「チャンスは1回。壊れてもいいくらいの気持ち。捨て身で力を振り絞りました」。49歳のウイニングボールを谷繁捕手兼任監督から受け取ると、ようやくほおを緩めた。昨年8月28日、ヤクルト戦(神宮)以来の白星だ。

 1軍マウンドは昨年10月5日のDeNA戦(ナゴヤD)以来。緩いカーブを見せ球に「回転数は球界でもトップ」と自他ともに認める直球を投げ込んだ。初回1死三塁のピンチも鳥谷、ゴメスをいずれも134キロの内角直球で打ち取った。5回無死一塁では、代名詞のスクリューボールで上本を遊ゴロ併殺打。31年間培った技術を存分に見せた。

 昨年の契約更改では、落合GMから減額制限の25%を超える33%減の年俸4000万円を提示された。「(大幅減俸は)50歳で投げるための措置だ」と“2年契約”を保証されたが、近い関係者には常に「GMとの約束に甘えることはない。8月までに結果が出なかったら辞める」と自ら身を引く考えを示していた。

 最年長勝利に向けて昨オフ、元ヤンキースのマリアノ・リベラを参考にカットボールをマスター。新たな武器を引っさげて、4月24日のウエスタン・リーグ阪神戦(甲子園)で6回0封と好投した。だが、リリース時の手首の形が違うためにフォームを崩し、「キャッチボールですらいい球が投げられなくなる」と悩み、新球を断念。一時は2軍でも登板機会に恵まれなかったが、若手がオフの日でも単身でナゴヤ球場を訪れ走り込んだ。手を抜くことはなかった。

 1983年ドラフト5位で入団。「今の自分があるのもこの人のおかげ」と担当スカウトで06年に68歳で死去した高木時夫氏への感謝を忘れなかった。この日も神社に参拝後、名古屋市内の高木氏の墓前に手を合わせた。全盛期同様、先発前の“儀式”をひと通り行ってから戦場へ向かった。

 そんな姿にチームは11安打6得点。救援陣も無失点でつなぎ、大記録を援護した。勝利、出場、奪三振、打席と数々のプロ野球最年長記録を一気に更新し、6歳下の谷繁兼任監督も「プロ野球80年で1人だけですよ。(年齢的に)2、3日後の方が体に張りがくるのが心配ですが」と、冗談交じりにたたえた。

 手荒な祝福を受けたベテランも「そこまで(衰えは)きてないよ。(張りは)あした(6日)だよ」と突っ込んでから「64年ぶりですか。もうひとごとですよ」としみじみ。次は自然体で49歳2勝目を狙う。(田中 昌宏)

 ◆山本 昌(やまもと・まさ=本名は山本昌広)1965年8月11日、神奈川県生まれ。49歳。日大藤沢高から1983年ドラフト5位で中日入り。93、94、97年に最多勝、93年に最優秀防御率、97年に最多奪三振のタイトルを獲得。94年に沢村賞。2006年に史上最年長ノーヒットノーラン、08年に通算200勝を達成。通算577試合で219勝164敗5セーブ、防御率3.44。186センチ、87キロ。左投左打。年俸4000万円。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
プロ野球 日本ハムオリックスソフトバンクロッテ西武楽天ヤクルトDeNA中日広島阪神巨人
報知ブログ(最新更新分)一覧へ