【日本ハム】大谷9号!2ケタ勝利&2ケタ弾のルースにあと「1」
2014年9月6日6時2分 スポーツ報知
◆オリックス3―7日本ハム(5日・ほっともっと神戸)
高々と舞い上がった打球は、左翼手・坂口のジャンプも届かず、左翼最前列へ飛び込んだ。二刀流・大谷が、歴史的な記録へ王手をかけた。両者無得点の2回1死。東明の外角高めのフォークを力みのないスイングで振り抜き、今季9号ソロ。「直球待ちだった。変化球だと思って振り遅れたけど、風で入った」。謙そんした言葉が恐ろしく感じるほどの一発。野手出場した試合では、ここ5戦で3発だ。
これで日本人では初、メジャーでも1918年にベーブ・ルース(当時Rソックス)しか達成していない2ケタ勝利&2ケタ本塁打(13勝・11本塁打)まで、あと1本に迫った。「そこは特には…」と無関心を装ったが、96年ぶりの偉業達成を視界に捉えた。
6回無死一塁では、一塁手・T―岡田の失策を誘う打球を放って出塁すると、ミランダの二塁打で一気に本塁へ生還。4点目のホームを踏んだ。7回2死三塁での4打席目は敬遠気味に歩かされ、打者としても脅威の存在であることを証明した。
心身共に、野手モードへの切り替えは完了していた。11勝目をかけて先発した3日の楽天戦(札幌D)は、7回2失点も自己最悪タイの8四球で試合のリズムを作れず、4敗目を喫した。それでも、翌日には「もう打席に切り替えているので」と話した。4日は移動日だったが大阪市内の焼き肉店で行われた「外野手会」に参加して英気を養い、この日のアーチにつなげた。
チームも快勝で連敗を3、オリックス戦の連敗も5で止めた。偉業達成に向けては「そこは特に意識していないので、変わりない。1打席1打席を大切にしたい」と大谷。まばゆい輝きを放つ背番号11が、長く閉ざされていた歴史の扉を、今日にもこじ開ける。(後藤 亮太)