北の湖理事長が白鵬に苦言「同じ相手とばかりやって」

　大相撲秋場所（１４日初日・両国国技館）の横綱審議委員会による稽古総見が５日、両国国技館内の相撲教習所で行われた。横綱、大関陣はいずれも１０番程度の稽古しか行わず、横綱・白鵬（２９）＝宮城野＝は新小結・常幸龍（２６）＝木瀬＝相手に８番取ったのみ。視察した北の湖理事長は「同じ相手とばかりやってあまりよくない。あれはウオームアップ」と苦言を呈した。

　元横綱・千代の富士に並ぶ史上２位のＶ３１を狙う白鵬は、秋場所で初顔合わせが確実な常幸龍を手玉に取るように全勝。最後には大技「呼び戻し」で裏返した。「（秋場所へ）いよいよだなという感じがした。最近磨いている呼び戻しが豪快に決まった。あれこそ仏壇返しだね」と上機嫌だった。

　常幸龍としか稽古をしない白鵬を見かねた北の湖理事長が若手の遠藤（２３）＝追手風＝や照ノ富士（２２）＝伊勢ケ浜＝に「行かなきゃ！」とゲキを飛ばした。だが、白鵬はお構いなし。北の湖理事長は「もっと若い力士に稽古をつけないと」と注文を付けた。大記録へ向けて横綱は「今は体を作っている段階。来週から出稽古に行く。いつも通りです」とマイペース調整を続けていく。（安藤　宏太）