【全米テニス】チャン・コーチ譲りの精神力!錦織、師弟の夢へ大一番も勝つ!
2014年9月8日6時0分 スポーツ報知
◆テニス4大大会最終戦 全米オープン第13日(6日、ニューヨーク・ナショナル・テニスセンター)
チーム・ケイも夢の頂点が見えてきた。マイケル・チャン・コーチ(42)は観客席から身を乗り出し、パワーを送るかのようなガッツポーズを連発して、錦織の決勝進出を見届けた。「本当にうれしい。粘っていたし、本当にタフだった。(決勝に向け)1日休みがあるので、できるだけ回復に努めたい」と絶賛すると、決勝へ気持ちを切り替えるように、足早にコーチ席から立ち去った。
1989年の全仏を史上最年少の17歳で制したチャン氏。175センチと小柄な体格やスピードが武器のスタイルも似ている。今季から師事する錦織は「10個以上直された」と細かな教えに驚き、サーブやショットを放つ位置も地道な反復練習で刷り込まれた。チャン氏と現役時代に3度対戦している松岡修造氏(46)は「チャンがコーチについて、精神面も強くなった」と指摘した。
肉体強化も、基本練習からの繰り返しと大会中にもトレーニングの時間を設けることで大きな成果を得た。今大会直前、右足親指の手術を受けた錦織も「自分でもおかしいんじゃないかと思う。体力面で強くなっているのを改めて実感した」と苦笑いするほどの充実ぶり。中尾公一トレーナーも「地道な練習で着実に強い体になっている」と認めた。
決勝の相手、チリッチのイワニセビッチ・コーチと、チャン氏は現役時代6勝5敗と互角のライバル関係にあった。ともに全米のタイトルを手にしておらず、師弟の夢を背負って錦織は最後の大一番に立ち向かう。