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【書評】インベスターZ 第1巻(三田紀房著)を読んだ感想を書きます。

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インベスターZ(1) (コルク)

インベスターZの第1巻を読んだ感想を書きます。

 モーニングにて連載中の「インベスターZ」第1巻を読んだ感想を書きます。

 本作は、中高一貫の男子校に入学した財前孝史(ざいぜんたかし)という少年が無理矢理「投資部」なる部活動をさせられるハメになり、投資に関するなんやかんやをしていくという物語となっております。なお、インベスターZの「Z」は「財前」のイニシャルに由来しています。

 作者は三田紀房(「みたのりふさ」と読みます)。東大受験を題材にしたドラゴン桜、その続編・外伝的な位置付けのエンゼルバンクなどの作品が有名ですね。わたくしは、エンゼルバンクだけ読んだことがございます。

この巻のあらすじ。

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(インベスターZ第1巻、三田紀房、講談社、p.101)

 インベスターZの第1巻をわたくしなりに要約してみますと、こういった感じになります。

  • 主人公の財前孝史が中高一貫校(北海道、男子校、進学校)の道塾学園に入学する。財前は学年トップの成績で入学したため、各学年(中学一年〜高校三年)の成績トップ入学者6名で構成される投資部になんやかんやあって半分無理矢理入部させられる。
  • この道塾学園は学費が無料である。これは、彼ら投資部が学園の資産を運用して得た利益を原資として学校の運営を行っているため。この方針は、開学の祖・藤田金七の理念「学校運営にかかる費用は資産運用の利益で賄い、学外から一切の援助を受けない」を受けたものである。
  • 投資部の運用目標は、学園の資産3,000億円から年8%・240億円の利益を得ることである(ところで、学校法人の運用益は課税対象でしょうか、それとも非課税でしょうか)。学園の資産を増やし、次世代に渡すことが使命である。
  • 財前、資産の一部の運用を任されて暴走し、投資部の先輩と一悶着を起こす。

 本巻において財前は、早速100億円の運用を任されます。本巻における財前の投資活動の内容はこういった感じです。

  • 100億円の運用を任される。
  • 本棚から投資部の資料をとろうとしたところ、幻覚を見てぶっ倒れる。
  • 先輩から「投資はカンと度胸だけのギャンブル」と煽られ、上場来最安値をつけていたソーシャルゲーム(ソシャゲー)株の「ゲーキチ」にとりあえず30億円ほど突っ込む。*1
  • 翌日(?)、ゲーキチ株が10.1%上昇。先輩にさっさと売れと煽られる*2。幻覚には「調子に乗るな」と怒られる。
  • 授業中に麻雀の勉強をする。

感想。

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(インベスターZ第1巻、三田紀房、講談社、p.51)

 三田紀房らしさ全開の煽りと微妙な絵柄が健在で好感が持てました。

 資産運用によって学校の運営費用を捻出することが投資部の目的なのですが、彼らは、どうやらデイトレードやスイングトレードのような手法を得意とするようです。目的に照らして年金運用のようなスタイルかと想像していたので、意外な印象を受けました。ファイナンスや経済関係の知識と物語の進行をからませており、投資関係の読み物としてはなかなか面白いと思います。ただ、これを読んで投資がうまくなるか否かについては、現在のところまだちょっと良くわからないですけども。

 さすがにモーニングに連載されている漫画ですので、大人向けの読み物としては面白いです。2巻以降についても順次感想を書いて参りたい所存です。よろしくお願いします。

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*1:現実の世界では、ソーシャルゲーム大手のガンホーオンラインエンタテイメントの時価総額が本日時点で約6,048億円、9月5日の売買代金が約40億円。ソーシャルゲーム中堅のKlabの時価総額が本日時点で約675億円、9月5日の売買代金が約95億円でした。ひとりで30億円も買えるのでしょうか。

*2:30億円×110%=33億円。それだけの買いがあるのでしょうか。