神宮球場でも虫よけ!デング熱拡大で対策ヒートアップ
厚生労働省は6日、デング熱の感染源に挙げられている東京都の代々木公園(渋谷区)、新宿中央公園(新宿区)を最近訪れていない都内の60代男性のデング熱感染を確認したと発表した。明治神宮外苑(新宿区、港区)と外濠(そとぼり)公園(千代田区)で蚊に刺されたことから、いずれかで感染した可能性が高いという。国内感染は14都道府県で74人となった。神宮外苑の一角にある神宮球場(新宿区)では、巨人戦を控えたヤクルト投手陣が試合前練習の場所を変更したり、入場時の観客に虫よけスプレーを貸し出すなどの感染防止策が取られた。
感染拡大の恐れが出始めているデング熱への警戒は、球界にも波及した。巨人とのナイターを控えたヤクルトの小川、バーネット、杉浦、山本、ナーブソンらピッチングスタッフは6日午後、神宮球場内で野手とともに試合前練習を行った。通常、投手陣は隣接する神宮外苑内にある「コブシ球場」でフィールディング練習などを行っているが、急きょ変更した。
菊地大祐1軍コンディショニングトレーナーが説明する。「デング熱がはやっていますからね。コブシ球場は蚊が多いので。大丈夫だとは思うんですけど、念には念を入れて」。さらに川端理広チーフトレーナーも「ピリピリしているわけじゃないですけど、一応、というところ。念には念を、です」と強調した。
さらに球団は球場側と協力、試合前の各入場ゲートで来場者に虫よけスプレーを貸与した。半袖のレプリカユニホームを着たファンらは、全身に噴き付けてからスタンドへと向かった。球団営業部試合運営グループの黒石誠治課長は「お客さんに不安を感じさせないように」と説明。蚊が発生しないように水たまりをなくす対応も取った。
神宮球場は代々木公園から東へ約1・5キロ離れているが、5日には北に約2キロ離れた新宿中央公園が新たな感染場所との疑いも浮上。さらに、この日は都内の男性が明治神宮外苑か外濠公園のいずれかで感染した可能性があることが判明した。球場では、これらの対策は7日も継続される方針だ。
代々木公園は感染源に挙げられてから初めて週末を迎えた。イベントスペースでは「東京アジアカルチャーフェスティバル」が予定通り開催された。前日から会場周辺を消毒し、希望者に係員がスプレーを噴きかける対応を取ったが、人影はまばら。13、14日に開催予定の「ベトナムフェスティバル2014」は中止が決まった。
隣接する明治神宮(渋谷区)では、渋谷門など3か所でスプレーを貸与するなどして警戒した。感染場所の疑いが報じられて一夜明けた新宿中央公園は、終日閑散としていた。
また、代々木公園の北西約700メートルにある庭園「新宿御苑」(新宿区、渋谷区)は7日から当分の間、蚊の捕獲調査などのため閉園するとホームページ上で発表した。