慰安婦報道の検証を批判したジャーナリスト、池上彰氏のコラムを朝日新聞が不掲載とした問題で、同紙は6日付朝刊に「読者の皆様におわびし、説明します」との記事を掲載した。だが、不掲載の判断を下した人物、責任者の処分は明らかにしておらず、往生際の悪さは相変わらず。朝日批判の輪は政府にまで広がっている。
誤報を認めながらも謝罪はしなかった朝日新聞。その検証記事を批判した池上氏のコラムをめぐる一連の経緯について説明したのは、6日付朝刊の市川速水・東京本社報道局長の記事だ。
市川局長によると、コラムは8月27日に受け取り、29日付朝刊に掲載する予定だった。しかし、朝日側は28日、池上氏に「このままの掲載は難しい」として、原稿内容の変更を要求。池上氏がこれを拒否したため、掲載を見送ったという。
その理由については、検証記事を掲載した8月5日以降、「関係者への人権侵害や脅迫的な行為、営業妨害的な行為」が続いたため、「こうした動きの激化を懸念するあまり、池上さんの原稿にも過剰に反応」したと説明した。