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政治
【歴史戦】「クマラスワミ報告書」に対する日本政府の反論文書の要旨
2.時際法の理論 歴史の一時点における一定の行為ないし事実について法的な評価を行う場合にはその時点において有効な法に基づいて評価する必要がある。現行法規の遡及的な適用は、当事国間の合意なき限りは認められない。人権侵害を受けた被害者又はその遺族による加害国家への補償請求を可能とする法の遡及適用を認める議論は、およそ過去の戦争により人権侵害を受けた被害者又はその遺族はすべて加害国家に補償請求を行うことが可能であるとの結論を招くことになるが、世界史における数々の戦争被害者の遺族等が今日、加害国家に補償請求権を行使することができるとすることが、現在の国際関係を根本的に混乱させるものであることは論をまたないのであり、また、かかる事態を招くような規範が国際法として確立していることにつき、国際社会の多数の国が同意ないし許容していると考えることには根本的に無理がある。
II 法的論点に対する具体的コメント
1.定義について 「従軍慰安婦」の制度を「奴隷制度」と定義することは法的観点から極めて不適当。
2.日本国政府の立場(法的責任)について サンフランシスコ平和条約、日韓請求権・経済協力協定等においてはほかに未償請求権があっても追及しないという「完償条項」があるところ、サンフランシスコ平和条約等の交渉過程において「従軍慰安婦」問題が具体的に議論されていないとしても、わが国としては、条約等の定めるところを誠実に履行してきており、先の大戦にかかる一切の賠償、財産・請求権の問題は「従軍慰安婦」の損害の問題を含めてサンフランシスコ平和条約等の当事国との間では法的に解決済みである。関係国政府も同様の立場であると承知しており、現に特別報告者の報告においても韓国政府が同様の立場である旨指摘されている。賠償を規律する法規は、当該二国間で効力を有する国際法の法規であって、不法行為を行った国と損害を受けた個人との関係を規律する法ではない。
第5章 勧告に対する日本政府の見解
特別報告者が展開しているような法律論を受け入れる余地は全くない。政府として元慰安婦の方々に対して個人補償を行うことは考えておらず、特別行政裁判所を設立することも考えていない。
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