はじめに
昨日、以下のエントリを投下した。
21世紀 ネット時代にクリエイターはどう生きるべきか - 年収400万のサラリーマンが子育てマイホームを建てる件
いつもよりちょっぴり反応が良くて最初のうちはオレも
「我が輩の文章も満更捨てたものでもないのかなぁ、ガハハハハハお前も蝋人形にしてやろう」
等と悦に入っていたのだけれど、途中から怖くなってしまった。何が怖いってトゲつき肩パットと鉄兜に身を包んだモヒカンスタイルの、時はまさに世紀末な人達が手斧やらチェーンやらをヒャッハー言いながらぶん回しつつバギーを乗り回して大挙して押し寄せて来て恐怖を感じ...たわけではなく。その実、まったくの逆で。
ほとんどモヒカン...じゃなかった、ツッコミらしいツッコミが来なかったこと。
それが怖かったんだよね。
えっと。ちょっと今日は長くなりそうなんで先に結論を書いておくね。
「クリエイターよ。日本を捨てよ世界に出よう」
「あ、もしくはセミプロになるって手もあるよ?」
さ、順を追って話そうか。ヒアウィーゴー!
プロとして生きる
昨日のエントリを読んで、変に真に受けちゃってる将来有望な若者が居たとする。
「そうか!これからはネットというツールを有効活用すればクリエイターは生きていけるんだ!」
なぁんてぬるい考えを持たれたら困るんだよこの甘ちゃんが。あまちゃんなのは能年玲奈だけでいいんだよ。だって、あのエントリは根本的に重要な部分が抜け落ちてる。それは
プロのクリエイターとして生きていけるか
ってこと。ここでいうプロっていうのは、プロ意識とかプロレベルのクオリティとか、そういう類の話ではなくて、それを生業として、基本それだけで食っていけるって意味ね。
オレがもし第三者であのエントリをたまたま見かけたら、間違いなくこうツッコむんだよ。
「いや、そりゃ販路は確保されてリーチするのは簡単になったけどさ...パイ全体は小さくなる一方だし、仮に小さくなる変化がゆっくりで無視出来るレベルとしても、パイがどんどん細分化されて自分のテリトリーに出来る領域も狭くなるよね?そこんとこどう解決すんの?」
って。
パイの縮小
1個目。パイ全体が小さくなるっていうのはさ、日本の総人口が減っていくってこと。少子高齢化社会。これはもう避けられないんだ。もちろん、そんなのクリエイターのせいじゃないけど、影響を受けちゃうんだからしょうがない。例えばロックミュージシャンなんてさ、ティーンに向けて恋愛ソングや青春ソングを歌ったりするわけでさ。それを聴いてくれる対象となるティーンがほとんど居なくなった世界じゃ活躍の場がないじゃん?じーちゃんばーちゃんに向けて
「ヘイ、ロッケンロー!アイラブユーベイベー!」
とかシャウトすんの?そんな芸当が成立するの忌野清志郎くらいだよ。まー、大規模な移民でも受け入れればこの人口問題は回避出来るんだけどさ。とにもかくにも、そんなもん1クリエイターではどうにもならん問題でしょ。とりあえず、ツェッペリンの移民の歌でも歌っとくか?
パイの細分化
2個目。パイが 細分化されるっていうのはさ、昨日もちょっと触れたんだけどね。マニアックなジャンルがどんどん確立されて、なおかつ発信側と受信側がちゃんと存在してひとつのジャンルとして成立してきてるってことだね。
よーするにこれはニッチなジャンルがバンバン乱立している状態なわけですよ。ニッチで有るが故にコアなファンとガッチリ固く結びついてマネタイズできる可能性は高くなるわけだけど、それってすんごく狭い領域での成功なんだ。
例えばさ、はてなでもブログを書きながらアフィリエイトやってる人、たーくさん居るでしょ。書評、映画、音楽、日常...ジャンルは多種多様だけどいずれの分野でもそれなりに稼いでいるアフィリエイター達がいる。それって
「文章を書いてその対価としてお金を得る」
って意味では既に成功している、と言えるわけだよね?これって実はもの凄いことで。20世紀では到底考えられなかったことだよ。だけど、それだけで食っていけるかっていうと別問題なんだよね。
マネタイズすることは容易になったけど、その分コンテンツを供給するクリエイターがカオスレベルでどんどん増えてきていて。
原則、出資する側の予算(お財布の中身)は同じ
↓
コンテンツが増える
↓
それでもまだコンテンツは増える
↓
それでもまだまだコンテンツは増え続ける
↓
結果、クリエイター1人当たりに還元されるお金は減る
↓
(以下無限ループ)
とまぁこんな流れなんだな。参ったねぇどうも。。。
で、結局どうしたら良いの?
ようやくクリエイターはどうメシを食っていったら良いのかって話。長かった。。。オレが思うに選択肢は二つ。
- 活動拠点を日本の外へ広げる
- セミプロになる
1.これまでのやったら長い閉塞感のある話は活動拠点を全て日本に閉じていた場合の話だ。デジタルコンテンツならネットで海外までリーチできる。アナログのコンテンツだって個人での輸出入は随分と敷居が下がっているはずだ。 1億人を相手にするより70億人を相手にしたほうが圧倒的に有利でしょ。ついでに世界挑戦ってなんかロマンもあるね。ブロガーだって例外じゃないよ。海外の記事を翻訳したり日本の記事を海外サイトへ投稿したり出来るよね。ICHIROYAのWADAさんみたいにさ。え?英語が出来ないって?そんな泣き言言ってる時点でクリエイターなんて諦めな。
2.のセミプロ。これはつまり副業をするってことだな。クリエイターが本業なのか副業なのかはその人次第だけど。セミプロをやりつつ機会をプロになれるチャンスを伺うってのも良いかもしれない。秒速5センチメートルの新海誠なんか、最初の作品は会社に勤めながら空き時間を必死に確保して作ったらしいよ。ただ、逃げ道があると安心してすぐそっちに流されちゃうのが人の性なので...中途半端になりやすいかもしれないね。
最後に
時代の流れにのってパイを広げるか、それともパイは広げずに別のパイと平行で攻めるか。どちらにしてもこれまでの古いやり方はもう通用しないから、戦略を練って最適と思われる作戦でいかないとね。あ、まぁでもクリエイターならとりあえず自分の名刺代わりとなる作品は複数作っておくのは重要だよ。一個だけだとまぐれだと思われるからね。
それじゃ、アバヨ。良い夢見ろよ。