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海外サッカーコラム
ブラジルW杯でコロンビアの攻撃を一手に担ったハメス・ロドリゲスは、レアル・マドリーでロナウド&ベイルを支える脇役として輝けるのか。
photograph by AFLO
サッカーの尻尾

ハメスが苦しむ、マドリーの「掟」。
ロナウド&ベイルの脇役になれるか。

豊福晋 = 文

text by Shin Toyofuku

photograph by AFLO

 ハメス・ロドリゲスに疑問の声があがっている。

 レアル・マドリーはリーガ第2節でレアル・ソシエダに敗れた(2-4)。この試合でいいパフォーマンスを見せた選手は誰もいなかったが、特にハメスは散々な出来だった。マドリー寄りの報道をするマルカ紙ですら、ハメスに先発の中で最低となる4点をつけ、「最悪のパフォーマンス」と辛辣だった。

 事実、4-4-2の右サイドでプレーしたハメスは完全に左足サイドを切られ、持ち味は何も活かせなかった。妥当な評価だろう。

 アンチェロッティは試合後、「何かを変えなければ。そして私は変えることになる」と意味深な発言をしている。

 ピッチを出ることになるのはハメスではないか――。

 今季のマドリーの新加入選手の最大の目玉、ハメスにはベンチ降格の噂さえ出ているのだ。

マドリーの唯一にして最大の掟とは。

 大きな期待とともにマドリーへとやってきたハメス。アトレティコとのスペインスーパー杯など、好プレーを見せた試合もあった。疑念はどこから来ているのか。

 現在のレアル・マドリーの選手に課される、唯一にして最大の掟がある。

 それが「脇役としていかに輝けるか」だ。

 マドリーはクリスティアーノ・ロナウドとギャレス・ベイルのチームである。それ以上でも、以下でもない。

 ロナウドとベイルを活かす試合ができるかどうか。できれば成功、できなければ失敗。シンプル極まりない。

 スピード、当たりの強さ、シュート力という強烈な個人能力を持ったこの2人を、他の選手は活かすことが求められる。どんな選手でもだ。

【次ページ】 ベンゼマがマドリーで不動の地位を築いた理由。

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