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国際
【鼓動】先住民の島にコンビニ進出、台湾で論争
台湾南東部の先住民が住む離島、蘭(らん)嶼(しょ)へのコンビニエンスストアの進出計画をめぐり、芸能人らが「伝統文化を破壊する」と反対し、論争になっている。先住民文化の尊重か島民の利便性の向上か。間に立たされた企業側は8月上旬の開業を延期し、開店のめどは立っていない。(台湾・台東県蘭嶼 田中靖人、写真も)
蘭嶼は太平洋に浮かぶ約50平方キロの小島。コチョウランが自生することから戦後、この名が付いた。熱帯雨林気候に属し、島の大半は山岳地で、火山島特有の奇岩や青い海が観光客の目を楽しませる。
登記上の人口は約5千人で、約9割がフィリピン北部から来た台湾唯一の海洋民族ヤミ族(別名タオ族)だが、島外への出稼ぎが多く、居住者はさらに少ない。島への主な交通手段は、繁忙期で1日計4便の連絡船か、同8便の小型機(約20人乗り)に限られる。
島にはトビウオ漁など伝統的な農漁業と民宿を中心とする観光業以外に目立った産業はない。島全体が先住民の「保留地」に指定され、法令上、部族の同意なしに開発できない仕組みになっている。
ヤミ族は海沿い6カ所の集落に分かれて住み、東部には伝統的な木造の半地下家屋「地下屋」に住む人もいる。他の集落はコンクリート製の2階建て家屋が中心だが、1本しかない島の周回道路上には放牧のヤギが群れをなし、のどかさを感じさせる。
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