よく飼い主さんに聞かれる事の一つに「避妊手術って必要なんですか?」という質問があります。
私の中ではYes&Noなんですよね・・・・
ちょっといい加減な言い方をしますが、する場合、しない場合のメリット、デメリットをしっかり理解して「お好きにどうぞ」というのが本音です。
獣医療としての答えであれば、繁殖させるつもりがなければ「避妊手術をした方がよい」。
望まない妊娠を当然防ぐというのが一つの理由ですが、飼い主さんの中には「室内飼いだし、散歩にちょっと行くくらい」という答えも出てきます。
以前にも書いたと思いますが、それでも気づかないうちに交配し、妊娠していることがありますし、そんな犬を何度も見てきています。
妊娠が分った時の飼い主さんの言葉は「え?なんで?父親は誰?」
私、「父親が誰かなんて知らねーよ(心の声)」、「さすがに私にはそこまでわかりません(実際の声)」(笑)
で、結局その想定外の妊娠を喜ぶ方もいらっしゃいますし、結局は手術を行なう事もあります。
生まれる事の無かった命 〜獣医師の仕事〜参照
いくら飼い主さんに自信があっても妊娠なんていつどこでどうなるかなんて飼い主さんには絶対にわかりません。
それでも一昔前とは違って、勝手に交配していたなんてことは少なくなりましたので、一番の理由は「病気の予防」を第一に考えるのであれば避妊手術をした方がよいということになります。
でも、避妊手術を受けなかったからといって全ての犬がそれらの病気になるわけでは無いですし、病気ひつとせずに天寿を全うする子もいることは事実です。
避妊手術を受けたとしても子宮蓄膿症などの卵巣、子宮の病気以外は100%防げるわけではありません。
逆に言えば子宮蓄膿症に関しては100%防ぐ事ができますし、一番緊急性の高い病気の一つです。
それ以外の病気は発症する確率が下がるのは確かです。
そして病気になってしまったら、手術しておけば良かったということになります。
しかも特にメスの病気は悪質な病気が非常に多いんです。
しかもそれらの病気のほとんどは老齢で発症する事が多いので、治療=手術=ハイリスクという事になります。
なので結局は結果論なんですよね。
ですから「避妊手術は可哀想」という飼い主さんはそれはそれでいいんじゃないでしょうか?
ただ、前述した通り病気になった時はもっと可哀想ですが・・・・
病気=治療=手術=ハイリスクですから。
病気にならなかったら、手術をしていたら可哀想だったというやっぱり結果論なんですよね。
なので、避妊手術に関してはそのメリット、デメリットを理解した上で、飼い主さんが自分で決めるしかないというのが私の結論です。
ただ、特にメスの場合は命に関わる病気を引き起こすことが多いので、避妊手術を受けて欲しいというのが本音ではありますが。
唯一嫌いなのは「獣医師による避妊手術、去勢手術は動物に対する虐待行為であり、金儲けの手段」というアンチ獣医師の人間が少ないながらもいる事です。
狂信的、盲目的
私、怒ってます その1 〜やれるもんならやってみな!〜
あたりの人間です。
狂信的に、盲目的に全ての獣医師の行為を全否定する人間の言葉を信じてしまわれると困ります。
実際に自分の飼っている犬がそういった病気になったことのない、自分だけの結果論だけで世間に避妊手術、去勢手術は虐待なんて言っているバカタレがいることは事実ですし、しかも一般の飼い主さんの「可哀想」という物とは全く違う物です。
写真として残していないものもあるので全てを紹介はできませんが、明日はその防げる病気に関して書こうかなと思います。

避妊手術の風景。
これが犬の子宮です。
人間と違ってY字型をしています。
そしてVの部分に子供が宿ります。

まあついでに。
避妊手術終了後、切開した皮膚にもレーザーを当てます。
理由は疼痛緩和と切開創の早期の回復(創傷治癒を早める利用と同じ理屈です)。
病院のHPはこちら
http://www.adachi-vet.com/
お盆期間も診療は行なっています。
私の中ではYes&Noなんですよね・・・・
ちょっといい加減な言い方をしますが、する場合、しない場合のメリット、デメリットをしっかり理解して「お好きにどうぞ」というのが本音です。
獣医療としての答えであれば、繁殖させるつもりがなければ「避妊手術をした方がよい」。
望まない妊娠を当然防ぐというのが一つの理由ですが、飼い主さんの中には「室内飼いだし、散歩にちょっと行くくらい」という答えも出てきます。
以前にも書いたと思いますが、それでも気づかないうちに交配し、妊娠していることがありますし、そんな犬を何度も見てきています。
妊娠が分った時の飼い主さんの言葉は「え?なんで?父親は誰?」
私、「父親が誰かなんて知らねーよ(心の声)」、「さすがに私にはそこまでわかりません(実際の声)」(笑)
で、結局その想定外の妊娠を喜ぶ方もいらっしゃいますし、結局は手術を行なう事もあります。
生まれる事の無かった命 〜獣医師の仕事〜参照
いくら飼い主さんに自信があっても妊娠なんていつどこでどうなるかなんて飼い主さんには絶対にわかりません。
それでも一昔前とは違って、勝手に交配していたなんてことは少なくなりましたので、一番の理由は「病気の予防」を第一に考えるのであれば避妊手術をした方がよいということになります。
でも、避妊手術を受けなかったからといって全ての犬がそれらの病気になるわけでは無いですし、病気ひつとせずに天寿を全うする子もいることは事実です。
避妊手術を受けたとしても子宮蓄膿症などの卵巣、子宮の病気以外は100%防げるわけではありません。
逆に言えば子宮蓄膿症に関しては100%防ぐ事ができますし、一番緊急性の高い病気の一つです。
それ以外の病気は発症する確率が下がるのは確かです。
そして病気になってしまったら、手術しておけば良かったということになります。
しかも特にメスの病気は悪質な病気が非常に多いんです。
しかもそれらの病気のほとんどは老齢で発症する事が多いので、治療=手術=ハイリスクという事になります。
なので結局は結果論なんですよね。
ですから「避妊手術は可哀想」という飼い主さんはそれはそれでいいんじゃないでしょうか?
ただ、前述した通り病気になった時はもっと可哀想ですが・・・・
病気=治療=手術=ハイリスクですから。
病気にならなかったら、手術をしていたら可哀想だったというやっぱり結果論なんですよね。
なので、避妊手術に関してはそのメリット、デメリットを理解した上で、飼い主さんが自分で決めるしかないというのが私の結論です。
ただ、特にメスの場合は命に関わる病気を引き起こすことが多いので、避妊手術を受けて欲しいというのが本音ではありますが。
唯一嫌いなのは「獣医師による避妊手術、去勢手術は動物に対する虐待行為であり、金儲けの手段」というアンチ獣医師の人間が少ないながらもいる事です。
狂信的、盲目的
私、怒ってます その1 〜やれるもんならやってみな!〜
あたりの人間です。
狂信的に、盲目的に全ての獣医師の行為を全否定する人間の言葉を信じてしまわれると困ります。
実際に自分の飼っている犬がそういった病気になったことのない、自分だけの結果論だけで世間に避妊手術、去勢手術は虐待なんて言っているバカタレがいることは事実ですし、しかも一般の飼い主さんの「可哀想」という物とは全く違う物です。
写真として残していないものもあるので全てを紹介はできませんが、明日はその防げる病気に関して書こうかなと思います。
避妊手術の風景。
これが犬の子宮です。
人間と違ってY字型をしています。
そしてVの部分に子供が宿ります。
まあついでに。
避妊手術終了後、切開した皮膚にもレーザーを当てます。
理由は疼痛緩和と切開創の早期の回復(創傷治癒を早める利用と同じ理屈です)。
病院のHPはこちら
http://www.adachi-vet.com/
お盆期間も診療は行なっています。
コメント
コメント一覧
そりゃ、そうですよね。
聞かれても困りますよね(^^;
結局、結果を処理できるほうを選択するしかないんだろうな・・・
と思っています。
勝手なことを言わせてもらうと・・・
ヒート中のメスの散歩と排泄物は、オス飼いからすると
ちょっと厄介だったりするんですが(--;
我が家では、野良出身の猫しか(金魚・カブトムシは別として)飼ったことがないのですが。
去勢・避妊手術を仔猫たちに受けさせる際、我が家では子ども達に、ちゃんと説明をしています。
オス猫のマーキングの事、メス猫の病気リスクの事、もし逃げ出してしまったら?の事。
我が家周辺は猫エイズや猫白血病が蔓延してるので、これ以上可哀想な猫を増やさない為にも必要な事。
3人の子ども達、それぞれに受け止めて、納得しています。
世の中には、短絡的な考えをお持ちの方もいらっしゃいますし、感情論で言葉を発する方もいらっしゃいます。
そういう方たちに納得してもらうのは、相当難しそうです。
先生、毎日骨の折れるお仕事、お疲れさまですm(__)m
こちらも、気長に、毎日骨を折っています。次女の宿題…
「骨が折れる」が実際の骨折なら、えらいことになってます。
夏休みも終盤に差し掛かり、宿題密度が濃くなってきているのに。解ってるのに。
きっと土壇場で適当に答えを書いて、ペケでもとりあえず出す!っていう常套手段に出るかと思われます(-_-#)
先生の所へは行きたがっているのですが、「宿題」の2文字を出すと、だんまりです。
ε=(´-o-` )
まあ、「かわいそう」ぐらいの理由で避妊手術を拒否される方は、いざ仔が生まれでもしたら、対処できずに、捨ててしまうのが目に見えてますけれどね。
ちゃんと何かがあった時に受け止めてもらえるといいんですけどね。
妊娠なり、病気なり。
動物が長生きするようになって、その分病気にもなりやすいですし。
> 勝手なことを言わせてもらうと・・・
> ヒート中のメスの散歩と排泄物は、オス飼いからすると
> ちょっと厄介だったりするんですが(--;
たぶん、メス飼いの人からすると同じように未去勢のオスは厄介だったりするんでしょうね(笑)
そういった意味ではやはり避妊・去勢は別の面でも必要かどうかの議論は必要かもしれませんね。
猫飼いの方は、今日の記事にも書いた通り避妊・去勢の意識は高いんですよね。
避妊・去勢を嫌がるのは圧倒的に犬飼いの方達です。
理由は謎ですが・・・
おそらく猫はどんどん増えるという意識が猫飼いの方にはあって、犬飼いの人は病気への意識が少ないとは個人的には思っているんですが。
宿題は・・・
私も全く無計画だったので、最後の2日で終わらせしまうような子供時代だったので偉そうなことは言えませんが・・・
まあなんとかなるでしょ(笑)
確かに考え方は人それぞれです。
なので避妊・去勢すべきとは思いませんし、しなくてもいいとも思いません。
ただ、やはり命に関わる病気に遭遇するたびにちゃんと手術しとけばこんなにならなかったのにと思います。
病気や妊娠はなんとか我々獣医師の力でなんとか手を貸してあげることはできるのですが、生まれてしまうとさすがに我々は力になれません。
ちゃんとそこまで考えて欲しいとは思っていますが、やはりそういった説明をしても「かわいそう」という感情の前には獣医療の論理は右から左なんですよね。