菅官房長官:慰安婦96年国連報告書「朝日記事が影響」

毎日新聞 2014年09月06日 01時08分(最終更新 09月06日 01時21分)

 菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、旧日本軍の従軍慰安婦を「性奴隷」と位置付けて日本に謝罪と賠償を勧告した1996年の国連人権委員会報告書(クマラスワミ報告)について「報告書の一部が、朝日新聞が先般取り消した記事に影響を受けているのは間違いない」と述べた。朝日新聞は8月5日朝刊で、「戦時中に朝鮮半島で女性を強制連行した」との吉田清治氏(故人)の証言が虚偽だったとして関連記事を取り消したが、菅氏は一連の報道とクマラスワミ報告の内容は無関係ではないとの認識を示した。

 また、菅氏は5日午後の会見で「慰安婦問題に国際社会で誤解が生じている。政府の立場と取り組みをこれまで以上に説明していきたい」と述べた。

 クマラスワミ氏はスリランカの女性法律家で、国連人権委で「女性に対する暴力」について特別報告を行った。【木下訓明】

最新写真特集