厚生労働省などは6日、東京都の23区内に住む60代男性がデング熱に感染していることを新たに確認したと発表した。最近の海外渡航歴がなく、蚊からウイルスが検出された代々木公園周辺を訪れたことのない人で、デング熱の感染が確認されたのは2人目。容体は安定しているという。
ウイルスの遺伝子配列は国内感染が最初に確認された女性などと一致した。男性は「どこで蚊に刺されたのかわからない」と話しており、厚労省は感染経路を調べる。
同省は同日、デング熱の拡大を防ぐため、都や23区、代々木公園周辺の関係者を集めた緊急対策会議を開いた。塩崎恭久厚労相は「感染拡大を防ぐために迅速な対応が必要だ。国民が安心して公園や施設を利用できるよう対策に万全を期したい」と述べた。
出席したのは自治体や国立感染症研究所の担当者のほか、代々木公園に隣接する明治神宮と国立オリンピック記念青少年総合センターの担当者。
会議では、デング熱の国内の発生状況や専門家による感染の仕組みの説明のほか、全国の各自治体や施設の対応状況などが報告された。
デング熱を巡っては、8月27日に69年ぶりの国内感染が判明。その後、代々木公園と周辺で蚊に刺されて感染した患者が相次ぎ確認され、9月5日には新宿中央公園(新宿区)で感染したとみられる患者も報告された。
厚労省などによると、国内感染者は6日までに14都道府県で計73人。デング熱は蚊が媒介するウイルスによる熱病で、人から人には感染しない。38~40度の高熱が出るなどし、まれに重症化することもある。
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