全国市民オンブズマン連絡会議は6日までに、過去10年間に開業し、地方自治体や第三セクターが所有または運営する鉄道21路線のうち、約9割に当たる19路線で、初年度の利用者数が事前予測を下回っていたとの調査結果を発表した。このうち9路線は実績値が予測の50%に届かなかった。
同会議は「正確に予測し、赤字になる可能性についても市民に説明すべきだ」と指摘している。
同会議によると、事前予測との差が最も大きかったのは、三セクの中之島高速鉄道が所有し、京阪電気鉄道が運営する中之島線(大阪市)。利用者が1日当たり12万3千人との予測に対し、実際は2万5千人(20.3%)だった。
中之島高速鉄道の担当者は「沿線の開発が予想より進まず、地下鉄などへの乗り換え需要も思ったより少なかったことが原因」と話している。
名古屋臨海高速鉄道のあおなみ線(名古屋市)や大阪市交通局の地下鉄今里筋線なども予測に対する実績の比率が20%台だった。
調査は2004年以降に開業した路線のうち、利用者数が公表されている21路線が対象。新幹線開業の影響でJRから三セクに移管された路線は赤字でも存続させるべき事情があるとして調査対象から除外している。〔共同〕
名古屋臨海高速鉄道、京阪電気鉄道、JR