藤田遼
2014年9月6日16時20分
大阪・十三の飲食店街、通称「ションベン横丁」の火災から、7日で半年がたつ。元の姿に戻そうと被災した商店主らが動いているが、複雑な権利関係が再建の壁になっている。
阪急十三駅の西口、火災に見舞われた一角は今も鉄板や柵で囲われている。焼けた39店舗の大半は取り壊され、がれきも8月末までに撤去された。かつて酔客でにぎわった場所には今、約1500平方メートルの更地が広がる。
囲いの中では、大きな被災を免れた「大衆酒場平八中店」が営業再開に向けて準備を進める。経営する玉村一夫さん(68)はクロスの張り替え作業を見守っていた。室外機やテントを敷地内に収めるための工事にも追われている。
工事は15日に完成予定だが、店の前を走る市道は他の店の工事が済むまで開放されない。再開はまだ先だ。玉村さんは「すぐにでも始めたいのに、いつになるのか」とため息をつく。
横丁には、2本の道路沿いに串カツ屋やスナック、居酒屋など木造の建物がひしめいていた。だが、東側の私道(幅2・5メートル)は建築基準法の防火上の規制で、建て替え時には最低4メートルまで広げなければならない。西側の市道(幅4メートル)も1947年に決まった区画整理事業で、本来は8メートルに拡幅されることになっている。現行規制を適用すると、再建しても敷地面積は半分程度に減ってしまう。
元の街並みへの再建を求める地元の声を受け、市は5月、借地権者や土地所有者全員の同意があれば、従来の道路幅に近い形で再建を可能とする方法を提案。被災した店舗の借地権者らは、十三、ションベン、横丁、の頭文字をとった一般社団法人「J.S.Y」を7月に立ち上げ、関係者らに同意を呼びかけている。
しかし、大阪市によると、市道の道路幅を4メートルで維持するために同意が必要な56人のうち、今月3日までに「同意」の回答があったのは29人。市の担当者は「敷地面積に影響がないケースや、道路幅が広がって容積率が上がることを望むケースもあるようだ」と話す。
借地権者のなかには既に死亡した外国人もいて、相続などの権利関係の整理に時間がかかりそうだ。
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朝日新聞社会部
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