【ヒルマニア】49歳山本昌「軟投左腕の先輩」浜崎真二を64年ぶり更新

2014年9月6日6時0分  スポーツ報知
  • 阪急で最年長勝利記録を保持していた浜崎真二

 ◆中日6―0阪神(5日・ナゴヤドーム)

 この日、山本昌に48歳4か月のプロ野球最年長勝利投手記録を64年ぶりに更新されたのが、浜崎真二。プロ野球通算17試合で5勝5敗、防御率4・03を残した3シーズンは、いずれも監督(1947年は総監督)だった。自己の裁量での登板と思われるが、選手払底の時期とあり、必要に迫られてのマウンドでもあった。

 プロ野球機構が出版した「日本プロ野球大百科」によれば156センチで50キロ。身長、体重とも日本プロ野球史上最も小兵選手だったが、戦前のアマチュア時代は左利きの“小さな大投手”として日本球界をリードした一人だった。神戸商で全国中等野球大会準優勝、慶大では投手だけでなく、巧打者としても名をはせた。社会人では満州倶楽部で都市対抗優勝に貢献している。

 また、1931年に続いて34年のベーブ・ルースやルー・ゲーリッグらの全米オールスターと対戦する全日本チームに選出され、沢村栄治らを抑えて両チーム最多の7試合に登板している。

 そんな浜崎が戦後、満州から戻って45歳でプロデビューしたのは47年。当時、同じ阪急に在籍した青田昇は「我々が、半分冷やかしで(登板するよう)催促したんだよ。でも、マウンドに上がると、体が柔らかくてコントロールが良く、いいカーブを投げていた」と話している。

 体の柔らかさの要因の一つと思われるのが、当時の野球人では珍しいアルコールを受け付けない体だったという。メジャー最年長勝利(49歳5か月)の記録を持つのも同じ左腕のジェイミー・モイヤー。こちらも多彩な変化球が武器だが、自らモイヤー財団を設立し、青少年にアルコールとドラッグの害を訴えている。そして、山本昌もアルコールは飲めるが、体調管理のため、食事の際に飲むのはほとんどノンアルコールドリンクだという。

 体調管理は当然だが、“左腕、軟投派、禁アルコール”。これが年長勝利記録のキーワードとは言い過ぎだろうか。(敬称略)

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