5日の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=105円71銭をつけ、2008年10月以来、約5年11カ月ぶりの円安水準となった。「円安は日本経済にプラス」と強調されてきたが、ガソリン価格を高止まりさせ、輸入食品の値上がりにもつながりかねない。製造業でも負の面が意識されはじめた。

 対ドルの円相場は、8月上旬の1ドル=102円台前半から、じりじりと円安に向かっていた。

 背景にあるのは、米国経済の回復期待だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は、景気を刺激するため市場に大量のお金を流す金融緩和策を10月にも終える方針で、来年には利上げに踏み切るとみられている。金融緩和を続け、金利を低く抑えている日本との違いは鮮明だ。