相転移プロダクション 物理のための数学講座: モニター募集
物理がしたいのに数学で挫折したことないですか?
相転移P です.
今回新たに物理の学習者に寄り添った形で
数学を学ぶ講座を作ろうと思っています.
その前にモニターを募集し,
モニターの方々と教材の精度を上げたいと思っています.
私がどんな講座を作りたいと思っているのか,
まず端的に情報をまとめます.
誰のための数学なの?
対象は「数学がつらいけど物理はやりたい!」という全ての人です.
ここでいう物理は大学での物理, 物理学科の物理です.
今回, 高校の物理については対象外です.
事前の数学力として, 理工系の大学新入生程度を想定しています.
特に 1 変数の微分積分を知っていることです.
年齢は関係ありません.
実際に物理を専門とする物理学科の学生から, 物理が必要になる理工系学生,
物理の再勉強に迫られた技術者・研究者の方から,
意欲的な中高生まで全て対象です.
何のための数学をやるの?
物理といってもたくさんの分野があります.
今回は私の能力もあるため, 量子系物理のための数学にフォーカスします.
いわゆる Hilbert 空間だとかそういった話を想像してもらえばいいです.
詳しくは後程.
数学で挫折する 2 つの理由を踏まえて
どんな数学をどんな風にやるのか?
これを説明します.
数学で挫折する理由は 2 つあると考えています.
当たり前ですが数学それ自体難しいことがあります.
しかし経験上, 次の理由の方が大きいはずです.
それは
いま学んでいる数学が物理の中でどう役に立つのかわからない!
ということ.
そのため, 数学が物理で実際に使われている様子を先に見てもらいます.
そして物理の多くの分野で共通して使われる数学があることも見てもらいます.
1 つの数学が多くの物理で使われるのは,
その数学が物理にとってそれだけ大事ということです.
そしてもっと大事なのは次の事実です.
数学それ自体の基本さえおさえれば, 勉強すべき数学は少なくなる!
これを伝えたいと思っています.
なるべく早くたくさんの物理を学べるようになること.
これを目指します.
相転移P とは何者?
私は学部では物理, 大学院では数学を専攻していました.
研究テーマは場の量子論・統計力学の数理,
特に赤外発散の困難の克服・相転移の理解の深化にフォーカスして研究しています.
これまでにも物理のための数学に関係するコンテンツを多数制作してきました.
例えばニコニコ動画に次の動画をアップロードしています.
- 春香誕生祭+緑なP・実解析P・パラPリスペクト1/5 量子統計の数学的基礎
- 春香さん誕生祭+色々リスペクト2/5 ルベーグ積分と関数解析1
- 春香さん誕生祭+色々リスペクト3/5 ルベーグ積分と関数解析2
- 春香さん誕生祭+色々リスペクト4/5 テンソル積と多体系
- 春香さん誕生祭+色々リスペクト5/5 平衡状態の定義について
- 【理工学M@ster祭り2nd】量子力学の数学的基礎1-1.概論
- 【理工学M@ster祭り2nd】量子力学の数学的基礎1-2.概論
- 【理工学M@ster祭り2nd】量子力学の数学的基礎2ヒルベルト空間基礎
この他にも東大・東工大・京大などで
数学科学生向けに物理まわりの数学に関する
セミナーを開催したり, 数学の本のソーシャル執筆も手がけています.
この機会に数学の復習をしたいという方も歓迎です.
9/13-14 に京大で開かれる【関西すうがく徒のつどい】というイベントでの講演準備のため,
プロジェクトは 9/15 以降からスタートします.
ここから, プロジェクトに関して
さらに掘り下げて説明していきます.
自然とコミュニケーションするための言語, 数学
少なくとも今, 物理を勉強すると言えば本を読んでの勉強,
特に理論物理の勉強になるでしょう.
そして物理, 特に理論物理を学ぶのに数学はどうしても必要です.
それは人間が自然現象を記述する言語が,
自然とコミュニケーションするのに必要な言語が数学だからです.
英語圏の人とコミュニケーションするには
英語を勉強しないといけないように,
現行人類が自然とコミュニケーションするには,
物理を学ぶには, 数学を勉強しなければいけません.
どんな数学がどこでどう必要になるの?
物理に挫折する理由の 1 つはこれではないでしょうか.
実際, 数学に挫折したので理論は諦めて
実験に行った物理学科の友人もいます.
そのように公言する教官すらいました.
物理学科でどうしても物理がやりたい,
そういう状況であってさえ, 数学となるとなかなかやる気が続きません.
物理がやりたいというのに, まず数学が必要.
これはつらい事実です.
そして, 特につらいのは,
その数学を学ぶとどんな物理が学べるようになるのか,
それがまるで見えないところにあるのではないでしょうか.
かといって物理の本をいきなり読んでも,
使っている数学がわからず式が追えなくて挫折,
そんな経験はないでしょうか.
私の経験からしても, 何か勉強したいことがあって
それには予備知識が必要と言われるとげんなりします.
一方, 物理のための数学, 工学のための数学,
化学のための数学といった本・教材は既に数多くあります.
しかし多くは必要な数学をまとめた上で,
節末に応用がいくつかあるという形です.
もちろんよくできた教材も多いですが,
数学を体系的に学んでいく形式の本が多く,
物理にとっての勘所をおさえた形で学ぶことはできません.
そして何より, 実際の応用の場が見えません.
また, 必ずしも学習段階の物理には
不要な数学も含まれていることがあります.
例えば, 常微分方程式のいろいろな解法は
たくさん学んだところですぐには使いません.
そこでまず結論
物理での応用先がわからないことが問題なのだから,
先にそれを見ましょう.
計算ではまるポイントはたくさんあります.
ただ, ここでの問題は必要な数学を, 理論をおさえることです.
ここでこんな理論を使うのか, こう使うのか,
そしてこれを学んでおくと他のところでも役に立つのか,
こうしたことがわかればモチベーションになるでしょう.
そして何より, 先に物理に触れておくことで
関係する数学を学ぶだけでも物理への夢が広がります.
この数学がわかればこんな物理もあんな物理もわかるようになる!
これはとても素敵なことではないでしょうか.
物理・数学の発展の歴史を考えると
上で説明したアプローチはとても自然な勉強法です.
物理・数学の発展の歴史を特に物理の方から見てみましょう.
誰もが知っていることですが,
ニュートンは天体の運動を調べるために
微分積分学の理論を作りました.
必要に迫られてのことです.
調べたい現象がある.
そのために道具が必要で,
その道具が数学なのです.
物理で必要になる前にできていた数学もあります.
しかし, 物理のために, それも物理学者自身が
作り出した数学もあるわけです.
勉強する上でもこれを追体験するようにすれば,
どんな物理をやるのにどんな数学が
どの程度必要かわかるのではないでしょうか.
勉強の動機付けになるのではないでしょうか.
また研究を疑似体験することもできます.
- こんな現象を調べたい.
- こんな計算が必要になった.
- どうやって計算しよう.
- 問題が問題を生んで理論みたいなのができてしまった.
- 数学としては何か怪しいところはあるが, とりあえず結果でた.
- 200 年くらい経ったら数学者が怪しいところを潰してまともな理論になっていた.
微分積分はこんな感じですね.
あとこんなのもあります.
- 理論ができたはいいが見通しが悪い.
- 見通しが悪いから計算もやりづらい.
- すっきり理論を整理したい.
- すっきり書くための方法論を作ろう.
- 何か数学できちゃった.
物理としては解析力学がこの方向性を持っています.
そして多様体論という現代幾何学の基礎理論を生み出しています.
有名な話として電磁気学もあります.
はじめ Maxwell 方程式は 4 本だけでなく,
たくさんの式がありました.
Heaviside がベクトル解析を駆使して
4 本にまとめたのです.
ベクトル解析の成立には同じく物理学者の
Gibbs も大きな影響を与えています.
今でも超弦理論やら場の量子論やら,
流体力学の Navier-Stokes 方程式やら,
物理で常識的に使っている数学で
基礎部分が怪しいのはたくさんあります.
気にするべきところは気にする,
気にしなくていいところは気にしない.
数学に対する程良い距離感も大事です.
講座の概要 (予定)
いまのところ, 次のような順番・内容で講座を作ることを予定しています.
私の趣味・能力から量子系の物理・数理に集中しています.
- 固体物理 (スピン系, Hubbard モデル) の数学的ポイント
- 極限の順序交換
- 線型代数
- 極限の順序交換
- 量子情報の数学的ポイント
- 線型代数
- 作用素環 (ちょっとだけ)
- 線型代数
- 量子力学の数学的ポイント
- Fourier 解析
- 作用素論
- Hilbert 空間論
- 群の表現論
- Fourier 解析
- 電磁気学の数学的ポイント
- 偏微分方程式論
- 線型空間論
- Fourier 解析
- ベクトル解析
- 偏微分方程式論
- 相対論の数学的ポイント
- 偏微分方程式論
- 群の表現論
- 線型代数
- 偏微分方程式論
- 論理, 集合
- 記号・記法の準備
- 集合を使った数学的議論の練習
- 記号・記法の準備
- 線型代数から見た微分積分
- 関数空間
- 線型写像・線型汎関数
- 固有値・固有ベクトル
- 汎関数と積分, 超関数
- 線型代数群とその表現
- 関数空間
- Hilbert 空間論
- 無限次元の線型代数
- 完全正規直交系
- 群のユニタリ表現
- 無限次元の線型代数
- 線型代数と偏微分方程式
- 偏微分方程式から出てくる常微分方程式と特殊関数による解法
- 群の表現論から見た解法
- 群上の調和解析としての Fourier 解析
- 偏微分方程式から出てくる常微分方程式と特殊関数による解法
- ベクトル解析
- 関数論
- 留数定理までのショートコース
- 留数定理までのショートコース
- 作用素論
- 無限次元行列論
- 無限次元行列論
講座では基本的に流れを重視し,
必要以上に数学的詳細には踏み込まないことにします.
講座で学ぶ数学は私の数学的専門に近いか
それそのものなので厳密な議論は展開できますが,
だからこそ勘所・流れをおさえて
物理を学びたい人にとってテンポのよい議論を
展開していく必要があると考えています.
数学的に厳密な議論については,
別途「数学の本をソーシャル執筆しよう」という
プロジェクトがあるので, そちらで対応していく予定です.
一部は既に執筆済みです.
ちょっとポイント: 相転移と極限の順序交換
どんなことをしたいのか, ここで具体的に紹介します.
学部 1 年, 微分積分のはじめで習うであろう,
「一般に極限の順序交換はできない」という話.
この物理を見てみます.
もちろん相転移は, まどか☆マギカで一躍有名になった,
例の相転移です.
数学でこれだけ聞かされても「物理に何の関係あるの?」と思うでしょう.
実際, ふだん物理では極限の順序交換をほとんど気にしません.
微分と積分の順序を平気で入れかえます.
経験上, 物理をやる上で問題になることは
ほとんどありません.
かといって全く問題がないわけでもありません.
それが相転移の統計力学的な研究です.
まず相転移点の (熱力学的) 定義ですが,
これは熱力学関数 (Gibbs の自由エネルギーだとか) が
不連続になったり微分不可能になったりする点と定義します.
物理だと出てくる関数は適当に微分できると
仮定していますが, 珍しく微分できない関数が出てきます.
これを統計力学的に再現する必要があります.
次のような物理のイメージをもとに相転移を理論的に発現させています.
- 系に磁場を入れる.
- (静かに) 磁場を切る.
- ヒステリシスとして磁場を切っても磁化が残る.
相転移に関する統計力学の数学では,
この事情をそのまま数学として載せていきます.
スピン系を例にしましょう.
まず一辺 \(L\) の有限系に磁場 \(h\) を入れます.
このまま磁場を切ると磁化は消えます.
このまま \(L \to \infty\) しても磁化は消えたままです.
つまり先に \(h \to 0\) して \(L \to \infty\) しても磁化はでません.
次に, 磁場を入れたまま系を無限に大きくしましょう.
そして磁場を切ります.
すると磁化が残ります.
これは \(L \to \infty\) としてから \(h \to 0\) することにあたります.
磁化を残すには極限の順序の取り方が本質的に効いてきます.
つまり「極限の順序交換はできない」という数学の一般的事情が
ヒステリシスを理論的に再現してくれます.
先程こう書きました.
数学に対する程良い距離感も大事です.
何でもかんでも適当に計算していればいいわけではありません.
数学として厳密に扱うべきところは確実にあります.
私の専門でもありますが, 相転移は
南部先生の Nobel 賞の業績でもある素粒子から
宇宙論まで貫く物理の基本的な現象の 1 つです.
その基礎に「極限の順序交換は不可能」という
解析学の基礎が深く横たわっています.
微分積分の数学的基礎を学んでいる最中,
面倒な極限の順序交換の議論をシコシコやっているときでも,
将来相転移の研究で効いてくると分かれば
楽しくなってきませんか?
そういう話がしたいのです.
そしてこれが私の専門でもあります.
似た現象をもう 1 つ上げましょう.
それは回路理論で出てくる矩形波です.
理想的には矩形波は不連続関数です.
一方でふつう回路では交流電源を使います.
つまり滑らかな三角関数で矩形波を, 不連続関数を近似する必要があります.
有限個の波では絶対に不連続になりません.
しかし無限個の波を重ねあわせると矩形波が再現できます.
これは極限を取ると特異性が発現するという一般的な現象です.
相転移でも \(L \to \infty\) という極限を取るのは特異性を発現させるためです.
極限交換ができない事情も明らかです.
波の無限和を取ると明らかに不連続な関数に収束するので,
無限和のあと微分という極限操作はできません.
この場合さらに面倒なことが起きます.
微分したあとに無限和を取るとまともな意味で収束しません.
矩形波が本質的に Heaviside 関数であり,
この超関数微分が Dirac の \(\delta\) 関数に超関数の意味で収束するからです.
Dirac の \(\delta\) となれば量子力学が自然と思い起こされます.
こうして相転移と回路理論, 量子力学に
共通の数学的基盤があることがわかりました.
1 つの数学をきちんと勉強すると,
数学を軸にして物理の議論もつながってきます.
回路理論で出てくるのは高校で学んだ三角関数,
そしてそれの無限和です.
極限の順序交換も学部 1 年の微分積分で出てきます.
こうした数学的な基礎事項をきちんと掘り下げれば,
量子力学で必要な数学に辿りつけます.
というわけで一緒に作りましょう
言うのは簡単ですが, やるのは大変です.
とりあえず作るだけ作ってみても,
レベル感の調整や説明不足な点,
またはどのくらいの内容を見せておくべきか,
最短経路を通るのにこれは不要ではないか,
そうした部分の調整が必要です.
そこで皆で一緒に教材を作り上げましょう.
モニター登録してくださった皆さんと一緒に教材を作りあげていきます.
モニター時はいったんメルマガの形式を使い,
文章 (モニター用会員サイトにアップした PDF) で配信しながら
内容を確定させていき, 本稼動時には動画もアップしようと思っています.
これは文章を読むよりも動画形式の方がよいという方のためです.
また, 物理・数学の理解に役立つ図や
数値計算・シミュレーションなども本稼動時に
順次充実させていく予定です.
貴方にそんなことができるの?
「いろいろ言うのはいいけど,
貴方にそんなことができるの?」
「物理に必要最低限なところをおさえつつ,
応用上大事なところは外さず,
数学的な精度も犠牲にしない,
そんな大変なことがやりきれるの?」
こうした疑問はもっともです.
そこで簡単に自己紹介しておきましょう.
学生の頃, 学部は物理学科, 大学院は数学科でした.
専門は場の量子論・統計力学の数学です.
特に赤外発散の困難の克服・相転移の理論の数学的深化に興味があります.
また, 次のような教材制作・販売をしつつ,
大学院生を含め, 学生向けに数学のセミナーを開催している実績があります.
- 数学・物理のセミナー開催.
- 数学の本のソーシャル執筆プロジェクト.
- 数学の DVD 販売.
- 数学の Kindle 書籍販売.
- 数学, 物理のための数学, 特に量子力学のための数学動画制作.
これまでに開いてきたセミナー
東大, 東工大, 埼玉大, 大阪大, 京大, 津田塾大, 早稲田大などでセミナーを開いてきています.
- Ising モデルのための複素解析, 原・田崎 相転移と臨界現象の数理 査読ゼミ, 東大, 2013/1/18.
- 色々な反例で遊ぼう, 第 3 回関西すうがく徒のつどい, 京都大学,プログラムの PDF, 2013/3/16.
- Friedrichs モデルの解析:埋蔵固有値の摂動論, 坊ゼミ, 埼玉大学, 2013/3/24.
- Gaussian superprocess and its application to Quantum Field Theory: Sasakure Seminar, ささくれセミナー, 東工大, 2013/9/10.
- 偏微分方程式の逆問題–拡散方程式の数学と物理と工学, 第 4 回関西すうがく徒のつどい, 大阪大学, 2013/09/21
- 関数論ウルトラショートコース: メインストリートを駆け抜けよう, 主に都数のメンバー向けセミナー, 早稲田大学, 2013/10/14
- Lieb-Loss Analysis セミナー: 変分問題と Thomas-Fermi 汎関数, 知り合いの解析系の学生向け+1-2年生向けセミナー, 東工大, 2014/2/17.
- コイン投げからの大数の法則・中心極限定理, 知人向け勉強会, 新宿, 2014/03/22.
- 線型代数と微分積分: 大学数学の紹介, そして量子力学の数学に向けて, 大学新入生向けセミナー, 東工大, 2014/04/19, 大学新入生向けセミナー, 津田塾, 2014/05/10.
- エルゴード理論の数理物理: 解析力学からの幾何学, 力学系, そして確率論と連分数展開, 大学生向けセミナー, 東工大, 2014/07/20.
- Google ページランクの数理, 第 5 回関西すうがく徒のつどい, 京都大学, 2014/09/14.
数学の本のソーシャル執筆プロジェクト, 内容抜粋
数学の本を皆で書こうというプロジェクトです.
理論を体系だって学ぶというより,
いろいろな数学が交錯する面白い話をピンポイントでゲリラ的に展開し,
それをまとめているという体裁です.
- 数学・物理の英語を読み書きしよう
- 講演原稿 線型代数と微積分: 大学数学入門
- 線型代数: Google の PageRank への応用
- 量子力学を理解するために斎藤正彦『線型代数入門』を読む人が注目すべき点
- ポテンシャルの振る舞いと微分積分
- 講演原稿 1 変数関数論
- Lebesgue 積分入門
- 講演原稿: 偏微分方程式の逆問題--拡散方程式の数学と物理と工学
- 講演原稿: Thomas-Fermi functional の解析-- Lieb-Loss を元に
- 講演原稿: Friedrichs model の解析: 埋蔵固有値の摂動論
- 量子力学・場の量子論・量子統計力学の数学的諸問題
- 近似としての量子力学での摂動論の原理的問題
- 直積分と物理
- 講演原稿: 硬貨投げからの大数の法則と中心極限定理
- 講演原稿: Gauss 超過程とその場の量子論への応用--ささくれセミナー
- セミナー原稿: エルゴード理論入門
数学, 物理のための数学, 特に量子力学のための数学動画制作
ニコニコ動画に上げてきた 50 あまりの動画のタイトルを列挙します.
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対象はだれ?
一番の想定受講者は物理, 特に量子力学を学ぶ必要がある,
または学びたいと考えている理工系学生です.
特に物理学科・数学科・化学科周辺を想定しています.
基礎知識としては 1 変数の微分積分を知っている程度を想定しています.
線型代数 (行列) を知っているともっといいですが,
実際にどこまで必要かは要調整事項です.
また派生的な対象として, 意欲のある高校生,
物理を学び直したいが数学がハードルになっている社会人も考えています.
特に関連する技術者・研究者も含みます.
どんなメリットがあるの?
ここまでで説明したことをまとめておきます.
- どんな数学がどんな物理のどこでどう必要になるのかわかった上で数学を学べる!
- 量子系の物理に必要な数学が数学的に高い観点から俯瞰できる!
- 研究者レベルでは常識とされている数学の物理的知見に最初からアクセスできる!
- 数学的に厳密な議論を背景にしつつ要領よく数学の勘所がおさえられる!
- 物理ではいい加減な扱いだったり「詳細は数学書に譲る」とされがちなところをきちんと学べる!
そして何より
- 共に学ぶ仲間ができる!
まどか☆マギカで杏子が言っていた通り,
一人ぼっちは寂しいのです.
一緒に学ぶ仲間を作りましょう.
その他のモニターの方の意見も随時ご紹介していきます.
何で (将来的に) 有料でやるの?
活動資金がほしいからです.
例えば今の私では対応が難しいものの,
何とか盛り込みたい内容として, 数値計算や
シミュレーションのためのプログラム開発があります.
これを実践するにはまず勉強が必要で,
その上で開発・デバッグしていく必要がありますが,
相当腕を鍛える必要がありますし,
何より時間が取れそうにありません.
しかし, プログラム開発はお金で解決できる問題でもあります.
設計をきちんとしておけば人に任せることができます.
また, モニター・将来の受講者の方と
密にコミュニケーションを取りたいと考えています.
人によってはまるポイントは違いますし,
メールでは埒が明かないこともあります.
普段学生相手にやっているような,
アドバンストなセミナーを全国各地で
やりたいとも思います.
そのとき, 交通費や宿泊費など
活動費がどうしても必要になります.
さらに, 大学・研究機関に所属しない
研究者を増やしたいという
私の活動全体の目標があります.
そのためにはこうした研究者の
食い扶持を確保する必要があり,
物理や数学などの専門的な知識を
きちんとマネタイズしていく必要があります.
そのために自分自身を人柱として使います.
この活動自身, 研究なのでうまくいかないことばかりでしょう.
修士までとはいえ, 私も研究者の卵として
研究者になるための教育を受けてきたわけです.
何とかして血路を開きたい.
そう思います.
物理の講座はやらないの?
数学講座にけりがついたらぜひやりたいと思っています.
数学科の学生からは自分の研究と近い物理を
勉強したいのになかなか読みやすい本がないという嘆きを聞いてます.
物理学科から数学科に進学した私なら,
物理の感覚も数学科の人がはまりそうなところも
両方わかりますし, 数学科の人と純粋に数学的な観点からの
疑問に応えることもできます.
むしろ私にしかできない, 私こそやるべき仕事だと思っています.
古典物理の数学はやらないの?
数学的な部分で厳密には私の専門からずれるため,
大変な部分は多いですが, やりたいとは思っています.
解析力学や流体力学は機械工学などでも使うと聞いていますし,
他にも土木工学, 建築学など古典論を酷使する人達がいます.
そういう人達を置き去りにするのも気が引けるのも事実です.
むしろ, どなたか一緒にやりませんか?
この活動は私自身の仲間探しでもあるのです.