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【大リーグ】

上原、再び救援失敗で今季5敗目 監督は残り試合の全体も示唆

2014年9月6日 紙面から

◇ヤンキース4−3レッドソックス

【ニューヨーク穐村賢】痛恨のサヨナラ被弾で今季残り試合は全休!? レッドソックスの上原浩治投手(39)は4日(日本時間5日)、敵地でのヤンキース戦で4−3の9回に4番手で登板したが、救援に失敗。2被弾のサヨナラ負けで今季5敗目(6勝26セーブ)を喫した。“勤続”疲労か、ここ5戦で3敗目、過去10戦の防御率が10点台という不安定さ。無敵の守護神として昨季、チームを“世界一”に導いた面影すらなく、事態を憂慮したファレル監督は来季をにらみ、上原を残り試合で登板させないことを示唆した。

 舞台は整っていた。リードは最少1点も、以前の上原ならば安心して見ていられる場面。27セーブ目はほぼ手中と思われた。だが…。

 先頭テシェイラに右翼席に同点弾を浴び、試合を振り出しに戻されると、1死後はへドリーにも同様に被弾でまさかのサヨナラ負け。いずれも追い込んでから決め球に選んだ宝刀スプリットが落ちず、ほぼど真ん中への半速球、打ちごろの棒球となってしまったことへの代償だった。

 「何も言うことはないです。全て僕の責任。それで(今日の報道対応は)勘弁してください」と上原。1イニングで2被弾は6月22日のアスレチックス戦でもあったが、このときは2点差で同点止まり。延長戦の末、チームは勝っており、ショックの度合いは天と地ほど違う。歓喜に沸くヤ軍ナインを尻目にベンチに引き揚げる上原の目はうつろ。試合後の談話は前述の一言だけで、ほぼ毎日書きつづっているブログも、さすがにこの日は更新されなかった。

 8月中旬までは防御率1点台前半と昨年同様の安定感を誇ったが、ここ5戦だけで3敗を喫するなど、最近は失点が目立ち、被本塁打が多いのも気になるところ。チームのポストシーズン(PS)進出は絶望的で動機づけの難しい試合が続くが、上原はほんの2日前に「(戦いから)抜け出すことはチームにとって失礼。監督が『休んでいいよ』って言ってもやります」と完全燃焼を誓っていた。

 本人はスプリットが落ちない理由として投球フォーム上の問題をブログで明かしているが、今季も登板61試合となり、間もなく不惑となるベテランの蓄積疲労も否定できない。かつての輝きを失い、“別人”となっている上原について、ファレル監督は「登板間隔を空けるか、今季はもう投げない方がいいのかを(本人と)話し合いたい」と残り試合全休の可能性も示唆した。

 今オフFAとなる上原に対しては、チェリントンGMが再契約の意向を示したばかり。しかし、8月後半から続くふがいない投球に、地元紙ボストングローブのアブラハム記者は「チームは今、上原をトレード期限までに放出しなかったことを後悔しているかもしれない」と自身のツイッターに投稿した。昨季は日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手となるなど大団円だった上原。今季は打って変わり、寂しいエンディングとなりそうだ。

 

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