柚希礼音「もっともっと男役追求」夢咲ねねと宝塚退団発表後初ステージ
来年5月10日付で宝塚歌劇団を退団する、星組トップコンビ・柚希礼音(ゆずき・れおん)と夢咲ねねが出演する東京公演「The Lost Glory―美しき幻影―」「パッショネイト宝塚!」が5日、東京・日比谷の東京宝塚劇場で初日を迎えた(10月5日まで)。退団発表後、舞台には初登場となったが、息の合った貫禄のステージを披露。卒業へのカウントダウンが始まったが、柚希は「もっともっと男役を追求してレベルアップしたい」と進化を続けることを誓った。
宝塚100周年イヤーの大黒柱となった、不動のトップコンビが見られるのもあとわずかだ。先月21日の退団会見では思わず感極まった柚希だが、この日は一転、すがすがしい表情。「毎公演、毎回が退団公演のつもりでずっとやってきた。でもやはり今、限られた期間がハッキリとしてきた。そのときまで、もっともっと自分の男役を追求したい」と前を見すえた。
大劇場公演では、芝居のみの「1本もの」が2作続いた星組にとって、約1年半ぶりのショーとの2本立て公演。芝居の「The Lost―」では、専科で宝塚理事の轟悠が座長を務める変則的な形で、柚希は09年の就任以来初めての悪役に挑戦している。
1920年代の米ニューヨークが舞台。柚希はビル建設に情熱を燃やす主人公・オットーを追いつめるイヴァーノをダークに熱演し「ずっと今までヒーロー役が続いてきましたので…。やりがいがあります」とニヤリ。柚希とともに退団する夢咲は今回は轟の妻役となる。「いつもと違う形ですが、本音でぶつかり合うお芝居ができていると思う」と充実の表情だ。
ショーでは長い手足を武器に、華やかなダンスで魅了。ブラジルの武術・カポエイラを取り入れたシーンもあり、柚希は「(8月の宝塚公演のあと)もうひと特訓しまして、さらにレベルアップしました!」とまだまだ成長中のよう。「9月になりましたが、夏が戻ったような熱いショーができたら」と自信をみせた。
来年2~3月に宝塚で、3~5月に東京で行われるサヨナラ公演「黒豹の如く」「Dear DIAMOND!」までのカウントダウンがいよいよ始まった。「最後の日まで、星組のみんなと楽しくやりたいですね」と柚希が話せば、夢咲も「日々自分に厳しく、宝塚を愛していきたい」。近年では異例の長期となる6年13日間をともに過ごした超人気コンビ。互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、ラストデーまで突っ走っていく。
宝塚歌劇