後半、前に出すぎだと注意される、アギーレ監督(右) = 札幌ドーム (撮影・中井誠)【拡大】
システムは「4-3-3」を採用。ブラジルW杯で3試合&6失点と崩壊した守備が、DF森重をアンカー(中盤の底)として最終ラインの前に置く采配で安定した。ザック・ジャパンでは南米勢に3点以上を取られる大敗が4試合連続で続いたが、カウンターでもろく崩される場面はなくなった。ベテラン監督の手腕をのぞかせた。
とはいえ、シュート8本の攻撃面では課題が多い。DF吉田は中盤のゲームメーカー不在を嘆いたが、それはMF柴崎らの成長を待つしかない。指揮官も「ボールを持ったとき早く動かすことが必要。努力、努力、努力しかない」と課題を掲げた。
ハーフタイムには選手に意見を聞き、「パススピード上げろ」「絶対にセットプレーではやられるな」と修正点をあぶり出した。後半途中には「4-4-2」の2トップに変更し、持てる戦術で追撃したが、白星は9日のベネズエラ戦にお預けに。試合後はウルグアイ側と仲直りの握手。「若い選手もデビューを果たした。これから仕事をしていきたい」と前だけを向いた。 (浅井武)
アギーレ監督の激情アラカルト
★相手選手に蹴り メキシコ代表監督時代の2009年に行われたゴールド杯・パナマ戦。試合中、興奮のあまりタッチライン際で相手選手を蹴飛ばし退場。3試合の出場停止処分を受けた
★口笛で妨害 エスパニョール(スペイン)を指揮していた昨年12月のアルメリア戦で、主審のホイッスルに似せた口笛を吹き、試合を妨害。主審に抗議した相手監督が、なぜか退場処分を受ける“珍事”を起こした
★暴言で退場 同じくエスパニョール監督時の今年1月にも、試合中にメキシコで“くそったれ”を意味するスラングなどを主審に叫んで退場。4試合のベンチ入り禁止処分をくらうも、「これは私の口癖」と笑い飛ばした
(紙面から)