朝日新聞が「慰安婦報道の大誤報」を認めたことについて、韓国各紙が大擁護論を展開している。ただ、「強制連行」の最大の根拠である吉田清治氏の証言を、朝日が「虚偽」として取り消したという事実関係を検証するわけではなく、単なる感情論で大騒ぎしているのだ。ジャーナリストの室谷克実氏が、朝日に踊らされる韓国の不幸に迫った。
教祖様の言行は絶対に正しいのだ。教祖様に刃向う輩(やから)には誅罰を−韓国のインテリ(新聞を真面目に読む人々)はいま、こう考えているのではあるまいか。教祖様とは、日本の朝日新聞のことだ。
「日本の良心」である朝日の影響力は「安倍一派」を凌駕(りょうが)しているから…。こんな論調が韓国を闊歩している。日本やアジアの状況も、朝日さえ読んでいれば分かるといった感じだ。だから、韓国全体がシンクホール(陥没空洞)に落ち込もうとしているのに、彼らはそれに気付かない。
2012年9月9日の朝鮮日報は、吉田清治氏の著書『朝鮮人慰安婦と日本人』(新人物往来社)を取り上げて、こう主張した。
「この一冊だけでも、当時の日本による慰安婦強制連行は十分立証されている」
「日本政府の関係者はこの本をしっかり読んでもらいたい」
筆者は、編集局の幹部であり、署名記事だった。念のため、朝鮮日報とは韓国で発行部数最大の新聞だ。
朝日は8月5日、吉田氏関連の記事を「取り消し」にした。それなら、朝鮮日報は「ハシゴを外された」思いのはずだと、日本人は考える。
が、朝鮮日報は違った。ますます、朝日に入れ込んでいる。