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生きた魚を200m先でも飛ばせる「大砲」の仕組み(動画あり)

最大200m離れた場所まで、生きた魚を時速36kmの速さで輸送できる装置が各地で試験利用されている。果実収穫にも使われるこの装置の仕組みを動画で紹介。

 
 
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TEXT BY OLIVIA SOLON
VIDEO BY WHOOSHHINNOVATIONS
TRANSLATION BY MINORI YAGURA, HIROKO GOHARA/GALILEO

WIRED NEWS(UK)

200m離れたプールや池に、たくさんの魚を生きたまま、できるだけ速く輸送するにはどうしたらいいだろうか。答えはひとつ、もちろん、「魚の大砲」をつくるのだ。

米国ワシントン州にあるWhooshh Innovation社が、そうした装置を開発した。生きた魚を、最大200m離れた場所まで時速約36kmの速さで「飛ばす」ことができる。最大で1分間に40匹の魚を、傷つけずに輸送できるという。

チューブ状の装置で、もともとは、熟した果物を輸送するために開発された技術を応用している。チューブの両端の空気圧が異なるので、投入された魚(手作業で投入、または自動投入も可能だ)は、チューブ内を高速で移動して向こう側に飛び出す仕組みだ。

チューブ内には多数の膜が等間隔で配置されている。これらの膜は、チューブの断面方向に設置されており、中央に弾力性のある穴があいている。魚はこのトンネルを進むわけだ(以下の動画では、リンゴで仕組みを紹介している)。

Whooshh社は、チューブに水を注入していない(ただし、摩擦を減らして滑らかに進むように、ミストを噴射している)。ポンプを使って大量の水を流すほかのシステムと比べると、魚に加わる圧力がはるかに小さく、消費エネルギーも少ない。

このシステムが対応できるのは、重さ15kgまでの魚だ。これまでに、コロンビア渓谷やローザダム、カラマ滝など、米国内の多数の場所でテストが行われてきた(ダムの建設に伴い、移動できなくなったサケたちを支援するため、これまでもさまざまな技術が試されてきたが、そうした技術のひとつだ)。

以下は、性能を実証するため、長さ250フィート(約80m)のダクトを、高さ100フィート(約30m)まで設置した実験の様子。

 
 
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