原発定期検査、30年間間違いに気付かず

原子炉溶接で違う部位調査
規制当局は「チェック完了」承認

 原子力発電所の定期検査で、30年間にわたり検査すべき部位とは違う部位を検査していたのにもかかわらず、規制当局はこれに全く気付いていなかったことが分かった。原子力安全委員会は釜山市機張郡の古里原発4号機と全羅南道霊光郡のハンビッ原発2号機で、原子炉容器溶接部の一部検査部位についてミスが確認されたと4日、発表した。

 原子炉容器とは、燃料棒が入っている原発の中心的な部品だ。同委員会は「今回の古里4号機計画予防整備で、過去3回行われた原子炉容器の溶接部検査は、検査対象17カ所のうち2カ所で間違った部位を確認していたことが分かった」と明らかにした。このため、原子炉容器がある韓国の原発20基すべてを対象に過去の検査結果を調べたところ、ハンビッ2号機でも検査対象17カ所のうち古里4号機と同じ2カ所で間違った部位を検査していたことが分かったという。だが、古里4号機で問題になった溶接部2カ所の正確な部位に対し超音波検査した結果、欠陥は発見されなかったとのことだ。ハンビッ2号機では12日に予定されていた計画予防整備の日程を5日に前倒しし、古里と同様に正確な溶接部位を検査すると明らかにした。

 問題となっている古里4号機は1986年から稼働に入った。製造会社が納品前に実施した溶接部の検査は正常に行われたが、納品後に原発運用会社の韓国水力原子力(以下、韓水原)が実施した稼働前(1984年)と1994年、2004年の検査では、別の部位を検査していたことが分かった。それでも規制当局は韓水原の検査結果をそのまま承認していた。原子炉容器は10年ごとに稼働している状態で超音波により亀裂がないかどうかを確認する必要がある。

 原子力安全委員会のカン・ホソン原子力安全課長は「稼働中の検査は直前の検査と同じ部位を検査し、比較するという方法で行われるが、最初の検査が間違っていたため、本来とは違う部位をずっと検査していたものだ。今回、韓水原が検査の準備をした際、過去の検査部位が間違っていることに気付き、通報があった」と話している。

李永完(イ・ヨンワン)記者
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