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Chikirinの日記

2014-09-05 俺たちはあしたのジョーである

練馬区立美術館の「あしたのジョー、の時代展」に行ってきた。

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ものすごくよかった。

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「あしたのジョー」は、1967年暮れから1973年まで『週刊少年マガジン』に連載された大ヒット・ボクシング漫画。原作は高森朝雄(てか、梶原一騎)さん、作画はちばてつやさん。

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展覧会タイトルでも分かるように、あしたのジョーにみんなが共感し、寄り添い、心酔した「時代」について、の展覧会です。

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1967年暮れから1973年っていうと、日本では学生運動が最後のピークを迎えてた時期。東大安田講堂が学生運動家に占拠されたのが 1969年、よど号ハイジャックが1970年、そして、連合赤軍事件(浅間山荘事件)の発覚が1972年ですね。

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そんな時代背景の中、天涯孤独の矢吹丈はドヤ街、少年院を経て、プロボクサーへ。

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血反吐を吐きながら打たれても打たれても立ち上がり、孤独に戦い続ける姿は、理不尽で高圧的な社会体制と戦ってた当時の若者から強い支持と共感を得た。らしい。孤児も、ドヤ街も、ボクシングも、きっと今よりずっと身近なモノだったんだろう。

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有名な第一話や衝撃の最終話、力石徹との決戦と死、さらには紀子とのデートや葉子の告白画面など、名場面の原画が見やすく展示され、ちば先生の手書きメモを含め多数のオリジナル資料が展示されてました。

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漫画のストーリーと、それに併せた社会背景の年表も丁寧に作ってあるので、当時のことを全く知らない人でも楽しめるし。

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なによりも、マンガ関係の資料だけでなく、1970年前後の社会風俗がリアルに伝わる様々な資料やアートを一緒に見せてくれる展示は、マンガと時代がどれほど密接な関係を持っているものか、ビビッドに教えてくれる。

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会場のテレビでは、1970年前後にヒットしたテレビコマーシャルも流されてて、

・ソニーのトリニトロンテレビ

・サントリーのトリスウィスキー

・森永チョコレートの「大きいことはいいことだ」や、

・男は黙ってサッポロビールとか、

・オーモーレツ!とか、

・レーナウーンレナウン娘が、とか


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当時の人達が何に憧れ、何をかっこいいと思ってたのか、よくわかった。

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マンガの中で力石徹が死んだ時、寺山修司さんが呼びかけて、本当のお葬式が行われた。( 800人来たらしい。ツイッターのない時代でもそれくらい集まるんだと思った)

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マンガのキャラクターの葬式で、戒名つけて読経して焼香に並ぶ人達を、

東京新聞はこう報じてる。

奇妙なお葬式をやる人達

こわい“マンガ連帯感”

全国から弔電、香典の洪水

冗談とわかっていて? それが現代の雰囲気? 

“人間回帰”の声も・・

大人達の反応はいつだって同じなんだなとわかっておもしろかった。てか、当時の若者達こそ、今の大人達なんだけど。


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よど号メンバーが「俺たちはあしたのジョーである」って北朝鮮に行っちゃったり、

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発売が待ちきれず、講談社まで週刊少年マガジンを取りに行ってた三島由紀夫が割腹自殺したのも 1970年

ファンだといいつつ連載途中で自殺するってどーゆーこと?

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若者って、今よりずっと抑圧されたんだなって思った。あたしたちはこんなに不幸じゃないだろうと。

あと、モノの値段が変わって無くてびびった。資生堂のサンオイルは400円だし(美白の時代じゃなくて、小麦色の肌の時代だからサンオイル)、デリカワインは 700円。パイロット万年筆は 2000円。なにそれ、物価あがってないやん。


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(こんなパンフレット置いてあるし。。)


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9月21日まで。たった500円でたっぷり 2時間楽しめた。最後の現代アートのお部屋もとてもいい。


すばらしかった。

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そんじゃーね



今やジョーもキンドル版!

あしたのジョー(1)
講談社 (2012-11-12)

↓展示物が(たぶん)全部載ってる展示会のパンフレット(展示室内は撮影禁止。上記画像はすべて購入したポストカードやパンフレットなどです)

「あしたのジョー、の時代」

求龍堂
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