NATO首脳会議「ロシアは仮想敵国」
TBS系(JNN) 9月5日(金)6時39分配信
ウクライナや中東などで治安情勢が悪化する中、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議がイギリスで始まりました。ロシアを「仮想敵国」とするなどNATOでは「歴史的転機」だと位置付けています。「我々は衝突から手を引き、平和の道をとることをロシアに求める」(NATO ラスムセン事務総長)
今回のNATO首脳会議では、冷戦終結以来、良好な関係にあったロシアを「仮想敵国」と位置づけ直しました。そしてロシアによる加盟国への侵略を念頭に国境付近に臨時の基地を増やし、有事の際は48時間以内に4000人規模の部隊を配置できる態勢をとる方針です。しかし、実際の部隊の創設の動きは来年2月以降になるということで、ロシアへの抑止力は未知数です。
また首脳会議前には、アメリカやイギリスフランスなど5か国の首脳がロシアに対して厳しい姿勢で臨むことを確認しましたが、その直後にウクライナのポロシェンコ大統領が親ロシア派との停戦に応じる可能性を表明、フランスのオランド大統領がロシアへの追加制裁を一時見合わせる発言をするなど、ちぐはぐな対応もありました。
また、NATOでは過激派のイスラム国などの台頭による情勢の悪化もあり、各国に防衛費をGDPの2パーセント以上に引き上げることを求めることにしていますが、足並みがそろうことは困難とみられています。
「NATOの歴史的な転機になる」とした今回の首脳会談ですが、巨大な混合部隊であるというNATOの弱点も浮き彫りになっています。(05日05:57)
最終更新:9月5日(金)16時20分