DSSチョーカーには使徒としての性質を抑制する機能もあることはあまり知られていません。ただの爆弾首輪と思われていることが多いです。画像の英文を上から訳すと、
・DSSチョーカーとの接続 動作中
・シンクロ観測 動作中
・抑制機能 動作中(Suppression Function ACTIVE)
・自爆機能 動作中
・マスターキーモード機能 動作中
・覚醒分析機能 動作中
suppression=抑制、これはチョーカーの目的を漠然と示す言葉ではなく、常にアクティブな状態にある具体的な一つの機能です。では、何を抑制しているのでしょうか。
画像のように、使徒封印文様が刻まれたチョーカーには、文字通り使徒を封印=抑制する機能もあるわけです。suppressionは禁圧、鎮圧、隠蔽等、封印に近い訳語を当てることもできます。つまり、首輪には使徒としての能力や性質を抑制し、隠す機能があるということです。シンジは破のラストで第11使徒になっている説が有力なので、本来はアスカのように怪力で不老不死に近いはずです。首輪を入れ替える前と後で、シンジとカヲルの力関係が逆転しているのは抑制機能が理由です。
■首輪のあるシンジ(人間並)
・面会室のガラスを何度叩いてもヒビすら入らない
・mark9の手のひらの上で飛んでいくと失神してベッドで目が覚める
・防護服が無いと外に出られない(L結界に耐えられない)
■首輪のないシンジ(使徒)
・L結界が濃くリリンが生きられない赤い大地を生身で歩く
■首輪のないカヲル(使徒)
・防護服無しで外に出られる
・SDATを直したのはテレビシリーズのドアロック開けのような能力かもしれない
■首輪のあるカヲル(人間並)
・槍を抜くときにシンジがカヲルの操作系を切り離した際、抵抗することができなかった(旧のような特殊能力があれば優先権を奪い返せるはず)。
首輪の抑制機能によって、外界を見に行く際にシンジだけが防護服を着ていたことと、また、脚本上の不備とされた「カヲルがシンジを止められなかった」という不自然な点が解決できます。能力が人間並に制限されたカヲルには、テレビ版で弐号機を遠隔操作したときとは違い、13号機の操作系を奪い返すような芸当は出来ないのです。
首輪の取替えで面白いのは、二人は本来同じ使徒という存在でありながら、すれ違うように対等な存在として時を過ごすことは出来なかったということです。