厚生労働省は約120兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式を直接売買できるように規制を緩和する検討に入った。現行法では株式の自家運用は禁止されており、GPIFは外部に株式の運用を委託している。塩崎恭久厚労相が5日の記者会見で、法改正を視野に入れた検討を表明した。
塩崎氏はかねてGPIFの株式の自家運用解禁を提唱していた。GPIFが外部の運用会社に払う手数料は年約270億円に上る。一部を自家運用に切り替えれば、その分経費が節約できるほか、組織の運用センスも磨けるというのが持論だ。
この日の記者会見では「法律がどこまで資産運用を許すのか議論しなければならない」と述べるにとどめたが、厚労相就任直後から塩崎色を示した格好だ。
現状では、運用資産の8割は外部に委託しており、残り2割の自家運用も債券のみに投資している。現行法では公的機関が大株主になると企業の経営に影響を及ぼす弊害があるとして自家運用を禁じているが、公的年金が物言う株主であるのは世界では一般的だ。
一方、GPIFは専門性の高いファンドマネジャーやアナリストの確保や育成が不可欠だ。
塩崎恭久、GPIF、厚生労働省