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015黄色と調和するのは、どんな形?色が持つイメージを知ろう

 
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色と形の関係は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく、異なる種類の感覚をも生じさせる「共感覚」との関連で論じられることが多いようです。

例えば、共感覚者として知られるダニエル・タメットは、著書『ぼくには数字が風景に見える』において、数字はそれぞれ形態、色、手触り、感情を備えていると述べています。ゲームクリエイター水口哲也氏は、「音には色と形と動きがある」というコンセプトで、ゲーム「Rez」を制作したと言われます。

シリーズ「ウェブアンケートで、ユーザーの感性をとらえよう」第4弾となる今回は、共感覚の有無を問わず、色と図形の組み合わせについて、ご意見をお寄せいただきました。

今回のアンケート「黄色と調和するのは、どんな形?」に用いたのは、次の8つの黄色い図形です。まだ、アンケートは継続していますので、アンケートをご覧になっていない方は、ご回答いただいてから、解説をお読みいただけたらと思います。

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それでは、アンケートの解説へと進めて参りましょう。アンケートの集計期間は、2014年6月25日〜2014年8月21日。有効回答数は35です。

黄色と調和するのはどちらの形?

まず最初に、図形を2つずつ表示し、黄色と調和するのはどちらの形なのか、選んでいただきました。

正方形と菱形

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正方形と菱形の比較では、正方形が37%、菱形が63%という結果に。どちらも4つの頂点を持つ図形ですが、角度と配置の仕方に違いがあります。正方形は安定感があり、シャープさのある菱形は安定感に欠けるものの、方向性が生まれます。今回の菱形は、上下の方向性や動きが感じられる配置にしました。

上向きの三角形と下向きの三角形

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三角形の上向きと下向きの比較では、上向きが69%、下向きが31%という結果に。三角形には、方向性があります。安定感という点では、下向きよりも上向きの方に軍配が上がります。今回のアンケートでは、安定感のある、上向きの三角形が選ばれています。

六角形と円形

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六角形と円形の比較では、円形が57%、六角形が43%という結果に。六角形は頂点の数が6つ。角度が大きいため、円形に近くなります。今回のアンケートで、六角形と円形は、比較の差が最も小さい組み合わせとなりました。

五角形と星型

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五角形と星型では、星型が74%、五角形が26%という結果に。五角形と星型は、どちらも方向性を持つ図形で、今回のアンケートは、上向きの配置を使いました。また、8つの図形の中で、星型は、最も鋭角的です。今回のアンケートでは、五角形と星型は、比較の差が最も大きい組み合わせとなりました。

黄色と最も調和するのはどの形?

次に、8つの図形を並べて、黄色と最も調和するのはどの形なのか、選んでいただきました。

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上位は、星型が37%、菱形が20%、下向き三角形、円形、五角形が11%で並んでいます。また、六角形とご回答いただいた方は0でした。

星型を選んだ理由

「星といえば黄色を連想する」というご回答が多く、その他には、「曲線より鋭角の方がしっくりくる気がする」「活発」といったご回答が見られました。また、星=スターから、スター選手、ロックスターなどのキラキラしたイメージを連想する方もいらっしゃるようです。

菱形を選んだ理由

「軽やか」「キラキラしたイメージ」「第一印象。目に止まってしっくりきた。きれいに見えた」など

円形を選んだ理由

「目玉焼きっぽい」「月、黄身のイメージ」など、月や卵の黄身を連想される方もいらっしゃるようです。その他には、「かわいい」「温かみがある気がする」「モダンで明るい印象とサークルのモダンさが合う」といったご回答もありました。

五角形を選んだ理由

「光の頂点部分があって、かつ、安定感が感じられる」「バランスがとれているから」

下向き三角形を選んだ理由

「はじけてる」

正方形を選んだ理由

「土との調和」「面積が大きい方が黄色のインパクトが伝わると感じました」

上向き三角形を選んだ理由

「星も捨てがたいが、星ならもっと彩度の高い色の方が合うと思い消去法で選んだ」

なお、今回のアンケートの回答者は、女性が71%、男性が20%。20代と40代が26%を占めています。

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背景を変えると、違って見える?

その他には、背景の白との調和をあげるご意見もありました。黄色は、有彩色の中で最も明るい色。黄色と白は明度差が小さい組み合わせですが、ゆで卵や目玉焼きなど、日常生活で馴染み深い配色でもあります。白には夜のイメージはないはずですが、夜空に瞬く星を連想された方が多かったのは、興味深いですね。

夜のイメージに近いのは黒や暗い青。背景を黒にすると明度差が大きくなり、暗い青にすると明度差と色相差が大きくなります。明瞭さが高まる反面、特に、ウェブなど光源色のデバイスでは、コントラストの強さに不快を感じるケースも出てくるでしょう。あるいは、警告の標識を連想されるかもしれません。

このように、同じような色と図形の組み合わせでも、背景の色や形、サンプルの提示の仕方などで、ご回答は違ってくると思われます。今回のウェブアンケートは、ひとつのケーススタディに過ぎませんが、デザインにご活用いただけたらと思います。

アンケート

ウェブアンケートを活用して、カラーリサーチを行っています。20秒程度でご回答いただけますので、ぜひ、ご意見をお寄せください。ご協力をお願いいたします。

© Hanae Matsumoto

 
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著者情報

マツモトハナエ

松本英恵

カラープランナー、カラー&イメージコンサルタント、
2005年6月より、総合情報サイトAll Aboutガイドとして連載中。著書に、『心をつかむ色とデザイン 商品力・サービス力を磨くためのスキルアップ講座』(日本能率協会マネジメントセンター)、『和モヨウ配色手帖 オシャレな“和モヨウ”でもっと磨く配色レッスンBOOK』(技術評論社)などがある。
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